タイムワーナー(ティッカー:TWX)は2000年にドットコム・ブームの頂点でAOLを高値で買収し、その後遺症でビジネスがメチャクチャになりました。

この最悪のタイミングの買収に至る以前もタイムワーナーはコングロマリットにありがちな放漫経営と内紛で株式投資の対象としては魅力に乏しい状態がかれこれ20年以上も続いてきました。

正直言って僕は1988年にアメリカに来て以来、一度もタイムワーナーの株を買ったことがありませんでした。

だけど最近初めて同社株は魅力的な投資対象だと感じています。

その理由は同社の経営者は本業に専心し、兎に角、優れたコンテンツにアグレッシブに投資することだけにフォーカスした経営に変身しているからです。

最近のNetflixやHuluのディールに見られるように、これからの時代は消費者が欲しいコンテンツさえ所有していればマネタイゼーションは自然に後から付いてくる経営環境になりつつあります。

Netflix、アマゾン、アップルなどのコンテンツ取得コストがどんどん上昇していることを見ても、デジタル化時代の勝者はこれらの「配管屋」ではなく、素晴らしいコンテンツを沢山持っているアセットリッチな企業なのです。

今日、タイムワーナーは第3四半期の決算を発表しています。

EPS 予想76¢ 実績79¢
売上高 予想69.7億ドル 実績70.7億ドル

売上高は11%成長、EPSは27%成長でした。

タイムワーナーのビジネスは大きく分けるとネットワーク部門、映画部門、出版部門に三分することができます。
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部門別のパフォーマンスを見ると:

【ネットワーク(HBO、ターナー)部門】
今期の業績を引っ張ったのは『ビッグバン★セオリー/ギークなボクらの恋愛法則』に代表されるコメディ番組でした。タイムワーナーは視聴率でトップ7のコメディのうち、4つを制作しています。

TVドラマも好調で『ボードウォーク・エンパイア』がエミー賞の8部門で受賞するなどタイムワーナーのHBOは全部で19の賞を受賞し、10年間TVネットワークで首位を守りました。
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サブスクリプションは+6%成長、広告は+9%でした。

【映画(ワーナー・ブラザース)部門】
タイムワーナーの映画部門は今期過去最高益を記録しました。その背景には『ハリー・ポッターと死の秘宝PART2』が世界での興行収入13億ドルという映画史歴代3位の大ヒットになったことが貢献しています。

同部門がCBSと進めているジョイントベンチャー、The CW Networkは Netflix、Huluと相次いでストリーミング契約を締結しました。
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サブスクリプションは+16%、広告は+24%、劇場映画は+20%、TV番組制作は+21%といずれのビジネスも素晴らしい成長を記録しています。

タイムワーナーはマンハッタンのコロンバス・サークルに豪華な本社ビルを建設しましたが、近い将来、このビルを処分し、浮いたお金でコンテンツへの投資を強化する方針を発表しました。
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さらに同社はこれまでに37億ドルの自社株を買い戻しており、今後も株主への利益還元を重視してゆく考えです。