今日は機関投資家の立場から見た場合、なぜイタリア国債をいま買いにくいか?という点について書きます。
皆さんはクリストファー・フラワーズという名前をご存じですか?
彼は1980年代にゴールドマン・サックスの金融法人M&A部隊を立ち上げたオリジナル・メンバーであり、その後、リップルウッドに転身し、今はJCフラワーズという自分のプライベート・エクイティ・ファンドを運営しています。
日本長期信用銀行が破綻したときにリップルウッドがその再生に一役買い、新生銀行として再スタートを切るわけですが、そのときの仕掛け人のひとりがクリストファー・フラワーズなのです。
このことからもわかる通り、彼はギリギリの極限状況でも冷静さを失わず、クールに金儲けのチャンスを追求する、心臓に毛の生えたような男なのです。
しかしそのフラワーズも今度のMFグローバルの一件では事態の急速な暗転に虚を突かれたと言われます。
もともとジョン・コーザインをMFグローバルのCEOに推薦したのはMFグローバルの大株主だったフラワーズなのです。
皆さんはクリストファー・フラワーズという名前をご存じですか?
彼は1980年代にゴールドマン・サックスの金融法人M&A部隊を立ち上げたオリジナル・メンバーであり、その後、リップルウッドに転身し、今はJCフラワーズという自分のプライベート・エクイティ・ファンドを運営しています。
日本長期信用銀行が破綻したときにリップルウッドがその再生に一役買い、新生銀行として再スタートを切るわけですが、そのときの仕掛け人のひとりがクリストファー・フラワーズなのです。
このことからもわかる通り、彼はギリギリの極限状況でも冷静さを失わず、クールに金儲けのチャンスを追求する、心臓に毛の生えたような男なのです。
しかしそのフラワーズも今度のMFグローバルの一件では事態の急速な暗転に虚を突かれたと言われます。
もともとジョン・コーザインをMFグローバルのCEOに推薦したのはMFグローバルの大株主だったフラワーズなのです。
しかし「イタリア国債を買う!」というコーザインの賭けが裏目に出てMFグローバルが資金繰り困難に陥った際にはコーザイン(=彼は元ゴールドマン・サックスの会長で債券畑の人です)とフラワーズという、この道に精通した達人が二人掛りで事態収拾しようとしても間に合わなかったのです。
MFグローバルが陥った落とし穴は、それまで「無リスク証券」と思われていたイタリア国債に対する世間の認識が「有毒廃棄物」へと劣化してゆく過程で担保の積み増しを要求された点にあります。
慌ててMFグローバルを「良い部分」と「悪い部分」に分け、身売りすることで同社を救おうとしたコーザインとフラワーズは時間との戦いでマラソン協議を続けますが最後には「顧客の資金が紛失した」というニュースで万事休すになります。
このミーティングの最後の方に出席していた関係者のひとりはニューヨーク・タイムズの記者に「フラワーズの履いていた革靴が左右不揃いだった」と語っています。
ウォール街関係者はこのNYタイムズの記事を読んで恐怖に凍る思いをしました。
「君子危うきに近寄らず」と言いますけど、コーザインやフラワーズなどの豪の者ですら手なずけることが出来なかったイタリア国債をフツーの機関投資家がパスするのは当然です。
MFグローバルが陥った落とし穴は、それまで「無リスク証券」と思われていたイタリア国債に対する世間の認識が「有毒廃棄物」へと劣化してゆく過程で担保の積み増しを要求された点にあります。
慌ててMFグローバルを「良い部分」と「悪い部分」に分け、身売りすることで同社を救おうとしたコーザインとフラワーズは時間との戦いでマラソン協議を続けますが最後には「顧客の資金が紛失した」というニュースで万事休すになります。
このミーティングの最後の方に出席していた関係者のひとりはニューヨーク・タイムズの記者に「フラワーズの履いていた革靴が左右不揃いだった」と語っています。
ウォール街関係者はこのNYタイムズの記事を読んで恐怖に凍る思いをしました。
「君子危うきに近寄らず」と言いますけど、コーザインやフラワーズなどの豪の者ですら手なずけることが出来なかったイタリア国債をフツーの機関投資家がパスするのは当然です。