イタリア代議院(=下院)が前年度予算の決算案を可決しました。

これはルーチン(お定まり)の採決であり野党議員を中心に棄権(321票)が続出したことで可決が可能になりました。だから決して感心できる偉業達成ではありません。

むしろ重要な点はベルルスコーニ陣営(自由国民党、北部同盟など)が630議席中308票しか得ることが出来なかった事です。

つまり連立与党は過半数(316票)を割り込んだのです。

この結果を受けて野党である民主党(Partito Democratico:PD)のピエル・ルイジ・ベルサーニ書記長は「連立政権は過半数を失った」とコメントしベルルスコーニ首相に退陣を迫りました。

この結果、ベルルスコーニ首相は2012年の予算が成立し次第、辞任すると発表しました。

マーケットはこの報道を好感しています。

なぜなら市場関係者は「ベルルスコーニはイタリアにとってお荷物になってしまった」という認識を持っているからです。

欧州の民間銀行は8,375億ユーロのイタリア国債を保有しています。

10月28日に決まった欧州包括戦略に盛り込まれた欧州金融安定ファシリティ(EFSF)4,400億ユーロと2010年5月に第一次ギリシャ救済案がまとまったときに設定されたEFSFの「未使用分」を合計すると、現在のEFSFの残額は6,000億ユーロ程度です。

すると下のグラフのように現在のEFSFの残額でギリシャを支えることはラクに出来るのですが、イタリアを支えるのは容易ではないことがわかります。
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急いでEFSFのパワーアップを図る必要があるのです。

イタリアの場合、プライマリー・バランスでは一応均衡財政となっています。だから切り詰め一辺倒の処方をしたところでマーケットが納得するかどうかはわかりません。

むしろイタリアの問題は慢性的な低成長です。

これは産業構造の改革によって実現しなければいけない面もありますけど、それと同時にトリシェ前ECB総裁の引締め的な金利政策の犠牲でそうなったことも忘れてはなりません。

財政改革と成長、、、この二本立ての対策が今のイタリアには必要です。