昨日ドイツ国債の入札が不調に終わりました。

予定していた売出しの60億ユーロのうち、実際には36.4億ユーロしか買い手が付きませんでした。なお利回りは1.98%でした。

このように予定調達金額を完売できない事を札割れといいます。

今回のドイツ国債の売れ行きはユーロが導入されて最も芳しくない結果だったと言われます。確かに売れ行きは悪かったのだけれど、今回の不調ですぐに「大惨事だ」と騒ぐには及ばないと思います。

だいいち1.98%という利回りが「魅力が無い」と言うけれど、逆にいえばそれだけ安全資産と目されるドイツ国債がこれまで「買われ過ぎ」ていたとも言えるわけで、実際、最近のドイツ国債の入札は概ね順調でした。

今週は感謝祭の週ということもあり変則的な要因も多々あります。

またドイツ国債の入札が芳しくなかったケースは過去にもあり、その後、ドイツの国債市場が変調をきたしたかといえば、なにげでOKでした。

つまり1回の入札の結果だけを見て「すわ一大事だ!」と慌てる方がおかしいのです。

ドイツのファンダメンタルズは他の国々とはぜんぜん違います。

政府負債のGDPに占める割合は83.2%であり、これは危なげない水準です。
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ドイツの産業の足腰はしっかりしています。だから経常収支もプラスです。
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財政赤字は欧州の主要国の中では少ない部類に入ります。
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それを断った上で来年度のドイツのGDP成長予想はかなり下方修正されました。
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さて、これはあくまでも僕の私見ですが、ドイツの政府は「むしろ今回札割れになって好都合だった」と感じているフシがあります。

なぜならたまにはドイツが市場からの資金調達に困っているところをアピールすることで「いつまでも皆の面倒をドイツ一国がみるわけにはいかない」という事を思い知らせる効果があるからです。