ソーシャル・ゲーム大手、ジンガ(ティッカー:ZNGA)がIPOのロードショウをキックオフしました。

今回、同社が売り出す1億株は全て新株です。

初値設定は$8.5から$10です。

この初値設定はこのサイズのIPOにしては絶対株価の設定が低めだと思います。

通常、大型のIPOは初値設定の下限を10ドル以上とするのが業界の常識です。その理由は一部の年金ファンドなどは「10ドル以下の低位株は買わない」という内規があるからです。

従って今回の初値設定は最初からIPOマーケティング中に初値設定を切り上げることを想定した決断だという風にも受けとめられます。

一方、初値設定を低めにするメリットはIPOならびにアフター・マーケットにおけるリテール(個人)投資家の参加を誘いやすくする事にあります。

言い換えれば同社株は機関投資家よりも個人投資家にアピールしやすいと幹事団が判断しているということです。

もうひとつ初値設定に関して興味深い点は同社がIPO書類を提出する前に最後のラウンドで同社に投資したファンドは$14程度のバリュエーションで同社株を取得したので、今回の$8.5から$10という設定は所謂、「ダウンラウンド」、つまり前回の資金調達時よりも株価評価が下がったことを示唆します。

普通、ダウンラウンドを行うことはベンチャーの世界ではご法度です。



今回、それを敢えて行った理由はマーケット環境が悪いこと、今年IPOされた株がいずれも苦戦していることなどによると思います。

ジンガの値決めの予定日は12月12日の週で幹事構成はモルガン・スタンレー、ゴールドマン・サックス、メリルリンチ、バークレイズ・キャピタル、JPモルガン、アレン&カンパニーです。

なおアイテム課金によるレベニューモデルは中国のオンラインゲーム株ではおなじみのビジネスモデルですが、アメリカの投資家には目新しいと思われます。

このためIPOロードショウでもかなり長い時間を使ってアイテム課金の説明がされていました。

ジンガの現在の月次アクティブ・ユーザー数は2.27億人です。

現在、世界で10億人がソーシャル・ネットワークのプラットフォームに参加していることを考えればまだまだ成長余地があるというのが同社の主張です。

これは以前にも書きましたがIPO売出し目論見書に見る最近の同社の勢いは少し衰えているように感じられます。

その点についてロードショウでは未だローンチしていない新しいゲームがいくつも控えているので心配ないと強調していました。