ことEU問題に関してはイギリス人の言う事は話半分に聞く必要があります。

なぜならイギリス人は負け惜しみしているからです。

皆さんはイソップ物語のキツネの話を聞いたことがあると思います。

キツネはブドウを取ろうとしたけれど、高くて届かなかったので、(フン、あのブドウはきっと酸っぱいに決まっている!)と負け惜しみを言う事で溜飲を下げたのです。
これを英語ではSour grapes(酸っぱいブドウ)と言います。
grapes

イギリスは欧州統合の過程ではちゃんとERM(Exchange Rate Mechanism)と呼ばれる欧州各国の為替相場を一定のレンジの中に収めようとするプログラムに参加しました。そもそもERMを実施する狙いはそうやって為替相場の変動幅をだんだん固定してやることによって将来円滑に通貨ユーロへと移行出来るようにという意図で実施されたものですから、それに参加するということはイギリスに通貨ユーロへ参加する意思があったわけです。

ところが1992年にポンド危機が発生し、イギリスはERMからの脱退を余儀なくされます。これがジョージ・ソロスが「イングランド銀行を破産させた男」として勇名を馳せることになった歴史的な事件なのです。



もちろん、イギリス国内はEUに対して賛成意見だけではなく、反対意見も根強く存在しました。

その代表的な例がマーガレット・サッチャーです。サッチャーは米国のロナルド・レーガン同様、「小さな政府」をモットーとする政治家ですから「折角英国の労働組合の手から奪い取った主権を、なぜわざわざEUに差し出さなければいけないのか」とEUに対して反対の立場を取りました。

上記のような一連の歴史があるため、イギリス人ならびにイギリスのマスコミはユーロ問題に関しては極めて冷笑的です。いや「ユーロなんか、壊れてしまえ!」という願望すら見え隠れします。

他人の困っている様子を見てメシウマ、、、というわけです。

僕はThe EconomistやFTをかれこれ20年以上購読してきたし、両方とも極めて高品質のメディアだと思います。

ただユーロ問題に関しては上に書いたような経緯があるのでどうしてもメシウマ的メンタリティーが露骨に出がちです。

でも有り体に言えばドイツがヨーロッパの押しも押されぬ盟主として君臨しようとしているときに、イギリスは蚊帳の外状態で最近ではアメリカにすらかまってもらえなくなっているわけです。

だからイギリスのメディアの書いている事を金科玉条のように信じ込むとあっという間にFXトレードで投資元本を溶かす結果に陥ります。

おそろしや、負け惜しみ。