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今年の夏にDVDビジネスの実質的な値上げを発表した後、ユーザーから総スカンを喰って株価低迷に苦しんでいるネットフリックス(ティッカー:NFLX)ですがここ数週間、買収の噂が繰り返し出ています。

今日は「アマゾンがネットフリックスを狙っている」という噂が出ました。数日前には「フェイスブックがネットフリックスを買収するのではないか?」という話が聞かれました。

ネットフリックスに買収の憶測が出るひとつの理由は現在の同社の時価総額が39.6億ドルとアマゾンの862億ドル、フェイスブックの1,000+億ドルと比べて豆粒くらいの規模になったことが挙げられます。

ネットフリックスのビジネスは顧客の離反さえ収まれば安定したサブスクリプション(定期購読)に基づいたビジネス・モデルなので将来の売上高や費用計画が立てやすいです。

またネットフリックスが独力で映画会社とコンテンツの契約を交渉しようとすると強い立場にはありませんが、若し同社がアマゾンの一部門、或いはフェイスブックの一部門になるとネットフリックスと映画会社との立場関係は逆転します。

その映画会社ですが去年まではネットフリックスをパートナーと言うより、むしろ自社のビジネスのマージンを脅かす迷惑な存在と見做してきました。

しかし今年の夏、ネットフリックスがDVDビジネスの値上げ問題で墓穴を掘ってからは映画会社の同社に対する態度は急に同情的になっています。


例えば先週おこなわれたUBSのメディア・カンファレンスの様子を「デッドライン・ハリウッド」が次のようにレポートしています。

But Netflix CEO Reed Hastings packed the main auditorium at the Grand Hyatt New York by asking investors to forgive him for the pricing blunder in July that destroyed his company’s aura of invincibility — and resulted in a 76% decline in its value. Meanwhile, media moguls embraced Netflix because it’s now an important customer for their content. Even Time Warner’s Jeff Bewkes retreated from his comment last year that Netflix was like the Albanian army trying to take over the world. The streaming service “is our friend,” Bewkes now says. News Corp COO Chase Carey called Netflix a great venue for Fox’s series 24, which had been hard to syndicate. And CBS’ Les Moonves says that Netflix is “more friend than foe. We’re rooting for them to expand.”

特に注目されるのはネットフリックスに対して警戒的だったタイムワーナーのジェフ・ビュークスやニュースコープのチェイス・ケアリーは「ネットフリックスは敵ではなくともだちだ」と態度を変えてきている点です。

もちろんネットフリックスに対するコンテンツ・コスト上昇プレッシャーは今後も変わらないと思うし、ケーブル会社や通信会社が独自のストリーミング・サービスをどんどん追加し、競争が激化することは間違いないと思います。ただそれらの業者はネットフリックスのようなわかりやすいサービス提案を出来ておらず、消費者の心を捉えることが出来ていません。

アマゾンやその他のネットフリックスを買収しようとする企業にとってはフェイスブックが来年の春にIPOしてしまうとIPOで調達した巨額のキャッシュを元手にフェイスブックが動き始めるので、その前にネットフリックスを仕留める必要があります。

これが風雲急を告げる展開になっている理由というわけ。
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