今年は新興国株式に強気で良いと思います。

僕がそう考える第一の理由はこのところ新興国株式が投資家から敬遠されているからです。

EFPRグローバルの調べでは去年1年で470億ドルが新興国株式ファンドから流出しました。

これはギリシャやイタリアの財政危機で投資家がリスクに対して敏感になったことが少なからず関係しています。

突発的な出来事がきっかけとなって世界的にリパトリエーション(投資資金の引き揚げ)が起こると新興国株式はメタメタに売られます。投資家はその事を承知しているので、別段経済の基本要件に問題の無い新興国の株式も早々に手仕舞われました。

この結果、新興国株式のバリュエーションはリーマンショック直後の瞬間安値(赤丸部分)を除くとBRICsブームに火が付いた2003年以来で最も低い水準になっています。
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もちろん新興国に問題が無いわけではありません。


その第一は去年まで多くの新興国がインフレ退治のために政策金利を引き上げていたという事です。

一般に中央銀行がどんどん利上げしている局面では株の投資家も余り欲を出さない方が良いです。特にインフレがなかなか鎮静化せず、中央銀行が後手に回っているような局面は危険です。

幸い、ベトナム、インドなど一部の国を除いて2011年末までに殆どの新興国でインフレが峠を越えました。このためブラジルのように既に緩和に踏み切っている国もあります。今後、金融緩和を打ち出す国は増えると思います。これは株式にとってフォローの風を意味します。

次に財政収支や経常収支が醜悪な国も避けたいと思います。

そのような基準でどんどん劣悪な国を除外してゆくと一握りの新興国が残ります。

中でもGCC諸国の内容の良さが光ります。具体的にはクウェート、サウジアラビア、カタールなどです。

アジアではインドネシア、マレーシア、シンガポール、タイ、フィリピンなどが良いです。

ただシンガポールは極めて経済が解放されており、その分、先進国経済の鈍化の影響を受け安いのでここ数年のような成長は今年は見込めない気がします。またシンガポールはカジノなどの巨大娯楽施設の開発でGDP成長率が下駄を履いていましたので、それが一巡した今年以降は前年比較が苦しくなります。

マレーシアも経常収支は良いですが輸出依存比率はアセアンの中では高いです。

タイは去年、大洪水に見舞われるなど不運続きでした。このため今年はその落ち込みからのリバウンドが期待出来ます。

インドネシアは内需比率が高いので世界経済の減速の影響を比較的受けません。

南米は経済の基礎要件に陰りが見える国が多いです。その中でチリの内容の良さが目を惹きます。

【参考銘柄】
チリ バンコ・デ・チリ(BCH)
クウェート  パワーシェアーズMENAフロンティア(PMNA)
カタール パワーシェアーズMENAフロンティア(PMNA)
インドネシア アイシェアーズMSCIインドネシア(EIDO)
タイ アイシェアーズMSCIタイ(THD)
フィリピン アイシェアーズMSCIフィリピン(EPHE)

なお上記の銘柄はすべて出来高が薄いです。またPMNAは十分な運用資産規模に達していないのでETFが清算されるリスクを孕んでいる気がします。