今夜(現地1月24日夜9時東海岸時間)オバマ大統領が一般教書演説を行います。

演説はホワイトハウスのホームページでライブで観ることができます。

オバマ大統領が当選したとき、彼のメッセージは民主党と共和党という党派にこだわらず、アメリカ人としてひとつになろうというものでした。

去年の米国連邦債務上限引き上げ問題がこじれてアメリカが長期ソブリン格付けAAAを失ったことを例に出すまでもなく、議員さん達は大統領のこの呼びかけに全く耳を貸しませんでした。

アメリカ議会はマヒ状態となっており、米国民の議会に対する支持率は13.3%と歴史上最も低くなっています。(リアルクリアポリティクス調べ)

変わらないものを変革しようとしても徒労に終わることは明らかなので、オバマ政権は国民に対して新しいメッセージを練る必要があります。

その新しいメッセージは格差社会の是正です。


アメリカは最近、貧富の差がとても拡大していると言われています。さらに格差は固定化する傾向があり、裕福層はより裕福になる一方、低所得者層は教育の機会不均等などの要因もあり、なかなか這い上がれないということが指摘されています。

このたびの一般教書演説は今年の11月の大統領選挙に向けて再選を狙うオバマ大統領の選挙に向けての基本メッセージを打ち出すという意味でも重要です。

共和党候補者の絞り込みはここへきて混戦模様になっていますが、若しミット・ロムニー候補が共和党の候補者になるのであればオバマ大統領は有利になると思います。

なぜならミット・ロムニーはプライベート・エクイティ・ファンドで富を成した人であり、「虚業の人」というイメージが定着しているからです。これでは大衆の心を掴むことはむずかしいです。

そんな事情で、明日の一般教書演説は最も裕福な1%叩きが出る可能性が強いです。

さて、僕の考えではこのようなレトリックは兎も角として、米国の貧富の差は今後さらに拡大すると思います。

なぜなら貧富の差は圧倒的にキャピタルゲイン(株式や不動産の値上がり益)からもたらされており、リーマンショック以降の資産価格の下落は一時的に貧富の差を小さく見せる効果があったからです。

今後経済が立ち直ると当然株価も騰がるわけですから「格差社会はいけない!」という掛け声とはウラハラに格差はどんどん開いてしまうのです。

社会を変えよう! Yes, we can! という庶民にとって耳触りのよいメッセージを考案することはカンタンですが、現実には社会なんて一朝一夕には変わりません。

せめて自分と家族だけでもどうすれば「向こう側」へ行けるのか?

僕はさしずめそれを考えるだけで精一杯です。