米国株式市場と欧州株式市場が今年最大の下げを演じました。

これを書いている時点でダウ工業株価平均指数は-208ポイント(-1.61%=但しザラバ)です。

欧州のマーケットの下げはアメリカよりもさらにきつかったです。

英国FTSE100指数は-1.86%でした。
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フランスCAC40指数は-3.58%でした。
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ドイツDAX指数は-3.40%でした。
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スペインIBEX35指数は-3.39%でした。
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イタリアMIB指数は-3.39%でした。
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欧米の市場が急落した理由は3つに集約できます:

1.ギリシャの債務交換への民間銀行の参加がギリシャの希望する割合に達しないリスク
2.イスラエルがイランを空爆するのではないかという懸念
3.中国経済のハードランディング


このうちギリシャの債務交換の期限は今週の木曜日です。今のところ民間金融機関の20%程度しか債務交換に応じる意向を表明していないという事が指摘されています。


ギリシャは90%程度の民間金融機関の参加を希望していました。

ただこの20%という数字はいささか誤解を招きやすいです。なぜなら債務交換に際してはどの金融機関も他社より先に自分の手の内を明かしたくないと考えているからです。

つまりある種のゲームズマンシップが働いており、ギリギリまで当事者相互の真意が読めない情勢になっているからです。

それからギリシャ国債の多くはギリシャ国内の民間金融機関に保有されており、彼らが全体の40~50%程度を占めていると言われています。ギリシャ国内金融機関はほぼ間違いなく債務交換に参加すると思われているので実際には既に60%から70%の民間金融機関が債務交換に参加するメドが立っているわけです。

また大手金融機関はギリシャ第2次支援の交渉の過程で各国首脳に「政府に協力します」という言質を取られているので実質国有銀行的な立場にあることからも土壇場で態度を翻るリスクは低いです。

すると一部のオポチュニスティックなヘッジファンドだけが債務交換に応じない可能性を残したグループだということです。

もちろん彼らが実質的な「拒否権」を発動することでギリシャ第2次支援のスキームが崩れさるリスクは残っています。

次にイスラエルがイランを空爆する懸念に関してはイスラエルは話し合いによりイランに核兵器開発を断念させる事は絶望的だと考えており、イランの原油のボイコットや国際金融システムからイランを締め出すだけでは不十分という立場を表明しています。

イスラエルは「どのみちイランはイスラエルのことを小さな悪魔、アメリカのことを大悪魔と捉えており、誰が攻撃しようがイスラエルと米国は同一視される」という指摘をしています。対話路線を貫きたいオバマ政権はこのイスラエルのコメントにむっつりしているそうです。

現在の経済制裁がかなり長期化し、原油価格が高止まりするリスクは高まっていると考えるべきでしょう。

最後に中国経済のハードランディングに関しては今週に入ってからこのシナリオを主張する声が大きくなっています。既に中国の不動産取引は閑古鳥状態になっており、積極的な緩和政策をすぐにでも繰り出さないとソフトランディングを演出するチャンスが失われるという見方をするエコノミストも居ます。

その点、今回の全人代で決まった今年の中国の財政赤字はGDPの1.5%と少ない金額であり、「支援が十分でない」という指摘が出ました。

中国は今週金曜日に経済統計が相次いで発表されますのでそれに注目したいと思います。

【3月9日金曜日の中国の経済統計】
2月の消費者物価指数 予想+3.4%
2月の生産者物価指数 予想+0.1%
2月の鉱工業生産 予想+12.5%
2月の固定資産投資 予想+20.3%
2月の小売売上高 予想+17.3%