(あれっ?!“#$%)

中国関係のニュースにチョッと異変を感じました。

僕の中国に対する態度は;

1.インフレ抑制が完了し、金融緩和に向かう今の局面は中国株式にとって最大のチャンスであるとともにリスクも最大の局面だ
2.中国経済はソフトランディングが演出できるかもしれないし、ハードランディングになってしまうかも知れない。いずれにしても未だデータが少なすぎて判断できない。


というものです。基本的にはこれを書いている今の時点でもこの考えに変化はありません。

ただポジティブなスタンスを取る大前提として今はガンガン利下げをやるべき局面だと考えています。その点、余りにも腰が重いのに少し落胆しています。

なぜ今、ガンガン利下げして集中治療した方が良いと僕が考えるかと言えば、不動産価格は下落モメンタムがついてしまうとその途中で喰いとめるのは至難の業だからです。不動産融資にはレバレッジはつきもの。そのレバレッジが巻き戻しされはじめれば少々の緩和では効きません。

それでは順番にこれまでのデータポイントを見てゆきます。

先ず物価ですが去年の秋にインフレはピークアウトし、今は鎮静化に向かっています。
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これは中国人民銀行にとって金利政策の選択肢が広がり、自由に動きやすくなる展開なのでポジティブだなと思いました。



しかし実際には預金準備比率をチョッと弄ったくらいで、政策金利の利下げは実施されていません。このため最近は実質金利がプラスになっています。

ある意味、実質金利がプラスになっているということは正常な状態なのだから、これが当たり前であり、歓迎すべき事だと言えるかも知れません。

でも先進国を見まわすと今どこも超緩和的な金利政策を実行しており、その背景には欧米の景気が弱すぎることがあるのです。米国や欧州は中国の取引先なので、その取引先の経済がダメなときは大いに警戒する必要があると思うのです。

既にブラジルなど一部の新興国は矢継ぎ早に利下げを繰り返しています

その意味では中国だけが「調子はずれ」になっているのです。

もちろん中国が堅めの金利政策を維持している理由は不動産投機を抑えるという目的があります。でも不動産価格をコントロールする目的のために経済全体を絞め殺してしまっては元も子もないわけです。

中国の鉱工業生産は既に2009年秋以降で最も低いところへ来ています。
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中国の経済活動を推し量るひとつのデータポイントとして鉄鉱石を供給しているオーストラリアのBHPビリトン(ティッカー:BHP)という会社をモニターする方法があります。

そのBHPビリトンは中国からの鉄鉱石の需要が伸び悩んでいるとコメントしています。

鉄鉱石の会社は中国に対して万年強気なので、彼らの自信が揺らいでいるのは印象に残りました。

下は小売売上高ですが1&2月は季節的な要因が含まれています。だから数字が落ち込んでいるのは割り引いて考える必要があります。
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しかし最近はメルセデス・ベンツが中国で値引きをはじめたと伝えられています

中国の裕福層の消費態度として「値引きされているものは悪いものだ」という価値観があり、プレミアムを喜んで払うのが普通ですが、若しそれが変わってきているのなら注意すべきです。なぜなら日本人も80年代のバブルの頃は高額商品を喜んでプレミアムを払って購入していた時代があったからです。

全人代で発表された今年の予算において政府の赤字額がエコノミストの予想の半分程度だったことは中国政府が景気テコ入れのための財政出動を控えていることを示唆していました。

これはある意味では良いことです。

なぜならだぶついた固定資産の解消には更に投資を追加するという処方では駄目だからです。

ただ需要の火を消さないような工夫(一例として不動産価格は抑制しながらも株高を演出するなど)を積極的にする必要があると思うのです。

中国の株価指数はごく乱暴な言い方をすれば香港ハンセン指数はガイジンの中国株への姿勢を反映しやすく、上海総合指数は国内投資家の株に対する食欲を反映していると言えます。このところはずっとガイジンの方が中国人より強気であり、事情通ほど弱気だという事実は不吉です。
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