世界の投資銀行のランキングに関し、ウイリアム・ライトが次のような分析を出しています。

まず売上高のランキングは下のグラフのようになっています。
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なおバンク・オブ・アメリカやシティなどのメガバンクはリテール・バンキングもありますので、ここではあくまでも投資銀行業務にまつわる収入、具体的にはM&A、FICC(債券、コモディティ)、エクイティー(株式)の各部門の収入だけを合算しています。

2006年と去年(2011年)を比べている理由は2006年がピークの年だったからです。

ご存じのようにその後、リーマンショックが襲い、投資銀行界は大きく変容しました。

なおリーマンショック後にベアスターンズはJPモルガンに吸収され、リーマンはバークレイズと野村に吸収されました。またメリルリンチはバンク・オブ・アメリカの傘下に入っています。したがって2006年の数字はそれらの消えてしまった企業の収入と現在の親会社の収入を合算(=プロフォーマ)した数字になっています。

これで見ると売上高ベースで最大の投資銀行はJPモルガンになります。またJPモルガンとHSBCだけが2006年と2011年を比べて売上高を伸ばすことに成功しています。



逆に売上高の落ち込みが激しかったところでは:

UBS -41.8%
バンク・オブ・アメリカ -37.0%
ゴールドマン・サックス -31.5%
クレディスイス -30.3%


などが目立ちました。

一方、利益のランキング(金額ベース)は:

JPモルガン
HSBC
BNPパリバ


がトップ3を占めています。

逆に赤字だった投資銀行は赤字額が大きい順から:

UBS
クレディ・アグリコール
クレディスイス
野村


でした。

業界全体としては2006年の総売上高2,590億ドルから2011年には2,150億ドルへと減収になっています。
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しかし総費用は2006年の1,660億ドルから2011年は1,700億ドルへと増えています。

つまりコスト・コントロールが未だ十分に出来ていないわけです。

部門別ではM&A、FICC、株式ともに20~25%程度の減収となっており、全体的に落ち込んでいることがわかります。

給与・賞与は圧縮されていますが売上高に対する給与・賞与の比率(=所謂コンプ・レシオ)は2006年が45.5%、2011年が43.7%と殆ど改善が見られていません。

なお業界全体のROEは2006年が37.4%だったのに対し2011年は僅か10.2%でした。