近くFacebookのIPO(=株式の新規公開)ロードショーがキックオフされます。

ところでIPOロードショーとは何か疑問に思っている読者も多いと察します。

そこで今日はIPOロードショーにまつわる話をします。

まず我々が普段ロードショーと聞いた場合、新作映画の封切りを連想します。これはその昔、サーカスが地方巡業をしたときの「旅回りの公演」から来ているのです。

実際、ウォール街の内部の人間はIPOの際の会社説明会、つまりロードショーのことをドッグ・アンド・ポニー・ショーという愛称で呼ぶ場合もあります。

ドッグ・アンド・ポニー・ショーというのはイヌや仔馬に芸を仕込んで子供達を相手に演じる小さなサーカスを指します。
ドッグ・アンド・ポニー・ショウ

主幹事証券のバンカーは発行会社のCEOやCFOにどのように人前で喋るか稽古をつけるわけです。

IPOのロードショーはみっちり世界を回る場合であれば最長で2週間くらいかけて世界各地で会社説明会が開催されます。


多くの場合、香港ないしはシンガポールでキックオフになります。その後、北上して東京、ヨーロッパ大陸、ロンドンを経て、2週間目に米国に入り、ボストン、ニューヨーク、デンバー、サンフランシスコなどの機関投資家が多い都市を順番に回ってゆくわけです。

多い時には1日に7つ程度のミーティングが詰め込まれるためIPOロードショーのスケジュールは過酷です。

Facebookの場合、世界全部を回ることはせず、1週間程度で切り上げると言われています。100億ドルを調達する大型案件にしては素っ気ないスケジュールです。

逆に言えば(当然、前人気は高いだろう)という会社側の自信ないしは甘く見た態度が見え隠れします。

CNBCのケイト・ケリーによればFacebookは5月7日にロードショーをキックオフし、値決めは5月17日頃を予定しているそうです。

しかし先日、インスタグラム(Instagram)を買収したので米国証券取引委員会に売出し目論見書の訂正を提出しなければいけません。

提出された訂正売出し目論見書は米国証券取引委員会によってチェックされます。この段階でモタモタした場合はロードショーに出るのが遅れ、値決めが5月24日頃にズレ込む可能性もあるとされています。

アメリカの株式市場は今日こそ持ち直していますが、このところ少しギクシャクした展開です。若し相場が荒れるとFacebookだけでなく他のIPOも相場環境が改善するまで全部見合わせられるという展開になることも考えられます。

マーケットが持ち直してくれるかどうか主幹事のバンカーはハラハラしていることと思います。