ニューヨーク・タイムズは一面で「スペインの危機がイタリアに飛び火するリスクがある」と指摘しています。

イタリアのマリオ・モンティ首相は去年の11月にシルビオ・ベルルスコーニに代わって首相に就任し、その後、定年退職の年齢の引き上げ、固定資産税の引き上げ、政府の省庁の重複の排除、脱税の取り締まりの強化などを次々に打ち出してきました。

これら努力にもかかわらずイタリアの国債はスペインのそれと余り変わらない利回り水準で取引されており、投機筋からオモチャにされやすい危険を孕んでいます。
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イタリアは国債の発行残高が大きいです。
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また政府負債がGDPに占める割合も高いです。
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今後も償還になる国債をどんどん借り換えする必用があります。
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それだけに、若し金利がどんどん上がり始めると、イタリアだけでなくユーロ圏全体としての欧州財政危機問題への取り組み方に影響を与えかねません。

幸い、イタリアの国債の半分はイタリア国民によって保有されており、外人保有比率は比較的低いです。

イタリアの財政赤字は比較的少ないです。
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むしろイタリアの問題は経済成長をどう導きだすかという点です。
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イタリアはヨーロッパではドイツに次いで製造業の基盤はしっかりしています。輸出基盤があるということは為替をユーロ安に導くことで、或る程度、急場をしのげることを意味します。

しかし同国の労働市場は極めて硬直的です。

またファミリー・ビジネスがはびこっており、コネが無い人や企業にはチャンスが無い事など、深刻な構造的な問題を抱えている事も事実です。

幸い、イタリアはドイツ同様、不動産バブルがぜんぜん起きなかったので、銀行の資産の内容が不動産絡みの理由から劣化する恐れはありません。
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