投資の世界で最も壊れやすく、同時に伸縮性のあるものが「投資家のコンフィデンス(信頼感)」です。

投資家が或る投資対象や市場に対して絶大な信頼を置くときは、株価のバリュエーションは天に届くまで伸びます。

でも何かの拍子にそれが壊れると、あっと言う間にコンフィデンスは萎んでしまうのです。

投資家が市場を信頼しなくなると、その市場での取引は干上がります。

取引が干上がると、活発な資金調達は出来なくなるし、それは実体経済にお金を回す機能を市場が果たせなくなることにつながります。

投資家はどのような時にコンフィデンスを失うのでしょうか?

これにはいろいろなシナリオがあるけれど、コンフィデンスを壊す最短の道は、「ゲームが公正じゃない」という印象を投資家に与えてしまうやり方です。

皆さんは相手がイカサマのサイコロを使っていると知りながら、丁半博打に臨みますか?

onnatobakushi

もしそれでもいいというのなら、あなたはとんでもないお人好しであり、カモです。

そういう人はケツの毛までむしられても、自業自得でしょう。



大半の証券関係者は、だからマーケットの公正さを保つために、皆、それぞれの立場で真面目に一生懸命仕事をしています。

でも一部の不心得者が、そういう多くの市場関係者の日々の努力を台無しにしているのです。それは同僚や会社を裏切る行為であり、顧客先に迷惑をかける行為に他なりません。

日本の証券界はそういう不心得者をかばうべきではありません。実名を出し、証券界から追放すべきです。

なぜなら、そうしないと大部分の真面目な業界人が長年努力して築いてきた、貴重なものを失ってしまうからです。

その例がLIBORスキャンダルであり、また中国株ADRの裏口上場です。

公募増資インサイダー問題を巡って一部には「フリードマンはインサーダーを野放しにしてよいと言った」というような子供じみた議論があるようですけど、全ての事象を効率的に市場に織り込もうとするメカニズムと、八百長は、本来、何の関係も無い別個の問題です。

このへんは机上の空論しか展開しない非実践家には到底わからないことでしょうね。