欧州中央銀行(ECB)は日本時間9月6日夜8時45分頃、政策金利会合の結論を発表します。

いまのところ市場参加者の多くは25ベーシスポイントの利下げで、政策金利を現行の0.75%から0.50%へ持って行くと予想しています。

利下げに加えて、投資家が注目しているポイントは、ECBがスペインやイタリアの国債を買い支えることを発表するか?という点です。

欧州の政策金利は上に書いたように未だ0.75%なので、「ゼロ」ではありません。普通に考えれば、政策金利が「ゼロ」になってしまうと、もうそれ以上、金利を引き下げられないので、国債を市場で買い入れるなどの、非伝統的な緩和政策を取る必要が出てきます。そのような手法を量的緩和政策と呼ぶ場合もあります。

それでは欧州の場合、まだ下げ余地があるのに、なぜ今、国債の買い入れが議論されているのでしょうか?

その理由は各国における金利に格差が生じているからです。もっと言えば、スペインの企業が借入をしようと思った時の金利と、ドイツの企業が借入するときの金利に大きな差がついてしまったということです。


この金利差、ならびに貸し渋りなどにより思うようにお金が借りられないことをレンディング・ギャップ(Lending gap)と言います。
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またヨーロッパ各国の金利がだんだんバラバラになり「あっち向いてホイ」状態になることをフラグメンテーション(Fragmentation)と形容する場合もあります。

フラグメンテーションは怖いです。

なぜならフラグメンテーションが常態化すると、いくら金利を下げても、特定の借主にとってみると全然金利は下がらないし、なかなか貸してもくれないからです。

それは中央銀行の見地からすれば、折角、利下げしてもその意図がそれらの問題国の金利低下というカタチでうまく伝わらないというジレンマを生みます。この打てば響くように市中金利が政策金利に反映されることをトランスファー・メカニズム(Transfer mechanism)と言います。

今の欧州の状況は、トランスファー・メカニズムが故障した状況なのです。


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