信じてもらえないでしょうけど、米国ではコンテンツ、それもプロが作り込んだ、お金のかかったコンテンツが黄金時代を迎えています。

くどくど説明する前に、典型的なコンテンツ企業の最近の株価チャートをご覧に入れます。

まずテレビ・ドラマやニュースに強いCBS(ティッカー:CBS)です。
1

次は映画製作に強いタイム・ワーナー(TWX)です。
2

次は『ハンガー・ゲーム』に代表される、若いファン向けの映画を中心としたライオンズゲート(LGF)です。
3

さらにウォルト・ディズニー(DIS)です。
4

いずれの株価も新値を舞っているし、業績的にもしっかりしています。

なぜか?

これはカンタンです。

ここ数年、iPadやキンドル・ファイアなどのデバイスがどんどん増えました。このことにより何処でも、何時でも、映画やTVドラマなどのハイクウォリティー・コンテンツを楽しむという新しいライフスタイルがアメリカ人に定着しつつあるからです。

リビングルームのテレビの回りに、家族全員が集まり、皆でテレビ番組を楽しむというライフスタイルが朽ちて久しいです。

その代わり、家族は、仮にひとつの部屋で一緒に居る時でも、それぞれにデバイスを持ち、勝手に自分だけの番組を楽しんでいます。

これをコンテンツを持っているメディア企業の商機の面から考えると、ライセンシング・フィーを取る機会が以前よりずっと多様化したことを意味します。

なるほどデバイスが沢山普及することはケーブル・テレビの視聴者数などに悪い影響を与える事は事実です。しかし面白いのはテレビ・コマーシャルを出稿する広告主はだんだん縮小気味の視聴者にメッセージを届けるために、前よりも一層高い広告料を喜んで払っているという事実です。これは放送局を傘下に持っている企業の決算の内容にも表れています。

結果として放送局は引き続き高視聴率を獲得できる新しいTVドラマなどのコンテンツをコンテンツ制作企業から買い続けています。つまりコンテンツ企業の支配は、デバイスの細分化で弱まり、希釈化されるどころか、逆に強くなっているのです。

そのことはアマゾン(AMZN)やネットフリックス(NFLX)が高い値段を払ってコンテンツ企業からストリーミング・ライセンスを取得していることからもわかります。