今日、ムーディーズが「若し議会における予算協議が不調に終われば、現行のトリプルエー(Aaa)格付けをAa1に引き下げる可能性もある」という警告を発しました。

先ず背景を説明します。

去年、米国議会は期日までに予算合意に達する事が出来ませんでした。

その結果、合意できなかったときに自動的に発動されることになっている、向こう10年間に1.2兆ドルを削減する予算削減プログラムがキックインしました。

しかしこの自動予算削減プログラムは再協議される見込みです。

若し議会が自動予算削減プログラムを拒み、さらに増税案も愚図愚図して通さなかった場合、米国の財政立て直しの見通しは立たなくなります。

ムーディーズは、そのシナリオになった時、トリプルエーは維持できないと言っているわけです。

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思い出して頂ければ去年8月にスタンダード&プアーズが米国の長期ソブリン格付けトリプルエーを剥奪しています。

あの時は大手三社のうち、他の二社、つまりムーディーズとフィッチが追随しなかったので、市場はS&Pのダウングレードをボトムとして持ち直しました。


今回は11月6日の大統領選挙を控えて予算に関する審議は棚上げ状態になっています。

だから大統領選挙が終わり次第、駆け込みで年末までにいろいろな政策を決めなければいけないのです。

米国では年末にかけて「財政の崖」と呼ばれる現象が起こると予想されています。

「財政の崖」とは諸々の不況対策の臨時措置が同時に期間満了になることで、突然、財政的支援がなくなってしまい、それが米国経済を不況に陥れる危険性のことを指します。

若し全てのカットが発動された場合は、2013年の上半期に年率換算でGDP成長率が-2.9%となるリスクがあると議会予算局は予想しています。