ニューヨーク・タイムズの第一面に陰鬱な記事が載りました。それは若者の失業率が50%を超えているスペインで、失業保険が切れ、ひもじさをいやすため、ゴミ箱に捨てられた残飯を漁る市民が増えているという記事です。

その記事では、ごく普通の、一見、お洒落っぽい若い女性が宵闇にまぎれてゴミ箱を漁り、近所の八百屋が捨てた腐りかけの芋やフルーツを漁っている光景が報じられています。

あまりにゴミ箱漁りをする失業者が多いので、スペインの一部の市ではゴミ箱に錠前をかけ、浮浪者がゴミ漁りすることができないようにしてしまいました。これは市側は「公衆衛生のためだ」と主張していますが、町のイメージを気にする役人が、浮浪者を切り捨てたと評する政治家も居ます。

これらの失業者の多くは、まだかろうじて電気や水道が通っているビルを不法占拠しているのだそうです。


スペイン政府はギリシャと同じように最近、財政緊縮政策を進めており、付加価値税を21%に引き上げたところです。また貧困家庭の子供に対する、学校の無料給食プログラムを廃止しました。

ゴミ箱に錠前をかける決断をした市の担当者は「私自身、この目で母親が小さい子供達を連れてゴミ箱を夜、漁っている様子を視察した。人間の尊厳すらも否定するような状況になっている」と語っています。従って、市の側も意地悪でやっているという事ではなく、ギリギリの状態になっていると理解すべきでしょう。