個々人の将来の「おかねの不安」が増幅しています。

長引く不景気ということもある……ソニーやシャープのような、一昔前ならピカピカだった企業が、人員整理や工場閉鎖や業績悪化などのニュースで、毎日のように新聞の紙面を賑わしているのも恐ろしい……

こういう時、頼れるのは、やっぱり国だっ……ということで、親方日の丸の方を向くと「65歳まで雇用義務化」とか何とか言って、国の責任を民間に押し付けようと躍起になっている……。

確かに「65歳まで、企業が責任を持って老社員の面倒を見なさい」というのは温情的なルールかも知れないけど、それをやる背景には「面倒を見るのは企業なんだから、国はその責任から解放される……だから年金受取開始年齢は順次引き上げますから、ヨロシク!」というカタチで逃げを打っているわけです

どんなに破綻した年金でも、支給開始年齢をどんどん引き上げれば、そりゃ健全になりますよ。だって、受け取れる有資格者が減るわけだから。

結果として、60歳から65歳間に失職した人は、無収入になる上に、公的な保障も無くなる、孤立無援状態に陥る危険性が発生するわけです。

まあ、今、ここに書いていることは「今すぐに、そうなる」というものではなく「じりじりとそういう方向へ向かっている」ということだと思うんです。でも、そういう孤立無援の日が到来した時に、慌てて準備しても、もう後の祭り。準備は、いま始めなければいけない……。

実はもう世の中の流れをよく読んでいる一部の人たちは、そういう殺伐とした未来の到来に備えて、行動を起こし始めているようです。


たとえば、この記事:

「ネット証券700万口座に迫る」 「老後に備え」需要で

ネット証券といえば、ユーザーの多くが30代から40代のヤング層だと僕など思ってきたわけですけど(笑)、最近は退職後の生活に備えるという動機から、初老の人たちが口座を開設するのがブームになっておる……

これはなかなか「想定外」でした。

年金受取開始年齢ギャップから来る、無収入リスクを軽減するための、いわば「生活防衛ファンド」なのだから、毎月分配型みたいに、お金を預けた先から、どんどん取り崩しが始まるタイプのファンドでは×。

60歳という「Xデー」までに、なるべく手堅く、お金を増やしたいということなら、自ずと運用戦略も限られてきます。

大きな失敗が出来ない以上、或る程度の分散投資であることが必須でしょう。また、比較的リタイアメントまでに時間が無い(=初老の人たちが口座開設しているという状況から判断して)というファクターを考慮すれば、「大きく負けない」ということも凄く重要になると思います。

理想的には比較的高いインカム・ゲインをもたらしてくれる投資対象で、それが再投資により育まれることが重要です。

また、大事な老後資金を証券マンに「ダマ転」されてはいけませんから、証券会社や運用会社が美辞麗句を並べながら押し付けて来る「彼らのための商品」も買わない方が良いでしょう。

このシリーズではそれらのもろもろの要因を考えながら、自分だけの生活防衛ファンドの構築について、考えてゆきたいと思います。