ソフトバンクの米国における事業拡張の野望に「待った」をかける投資家が出現しました。

ウォールストリート・ジャーナルのアヌプリータ・ダス記者によるとゴールドマン出身で、今はマウント・ケレット・キャピタル(運用資産70億ドル)というファンドを運用しているマーク・マゴールドリックとジェイソン・メイナードの二人のヘッジファンド・マネージャーがクリアワイヤ(ティッカー:CLWR)の重役会に対して「早くスペクトラム(周波数帯域のライセンス)を売るなどして、安値でスプリントに会社を盗られてしまわないよう、策を講じるべし」という意味の公開状を送り付けたそうです。

マーク・マゴールドリックはゴールドマン・サックス時代に007に登場する悪者のキャラである、「ゴールドフィンガー」というあだ名を同僚からつけられたそうです。

それと同時にマウント・ケレット・キャピタルは米国証券取引委員会(SEC)に対して13Dと呼ばれる株式大量保有報告書を提出しました。これは投票権の5%以上の株式を玉集めした投資家はその旨を10日以内に届け出なければいけないというルールに基づいたものです。

スプリントはこれまでクリアワイヤの投票権の約50%を支配してきたのですが、資金繰りに困っていたので周波数帯域の取得は後回しになってきました。しかしソフトバンクがスプリントの出資者となり、資金面での後ろ盾が出来た事でスプリントはイーグルリバーというクリアワイヤの株主からクリアワイヤの株式を譲り受け、重役会で過半数を占めることが出来るだけの投票権を確保したわけです。

クリアワイヤの重役会がこのようにスプリントから実質的に支配され、「なあなあ」の関係になると、クリアワイヤは他の同社の少数株主の利害(=たとえば、「もっと高い値段で、第三者に会社ごと、あるいは周波数帯域を切り売りする事で株主に還元できるんじゃないか?」という立場)を無視し、直(ちょく)でスプリント、ひいてはソフトバンクと「ベッドイン」してしまうのではないか?という不安が生じるわけです。


だからイーグルリバーが軟弱に妥協して、スプリントに持ち株を肩替わったのを見て、他のクリアワイヤの投資家は落胆しました。ソフトバンクがメチャクチャ安い値段で、スプリントを経由してクリアワイヤを買い叩く危険性が強まったからです。

それにしても老獪だわ、孫サンは……萌えるぅ~!

今回の「ゴールドフィンガー」氏からの挑戦状は、それに対する「NO」というわけ。

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