イスラエルがガザでハマースの司令官、アハメド・アル・ジャバリを殺害したことに抗議してエジプトがイスラエルから外交官を呼び戻しました。これに対抗するかたちでイスラエルもエジプトから外交官を引き揚げるのではないか? という観測が市場に流れ、リスク回避の動きが強まりました。なおイスラエルはその後、「外交官を引き揚げるつもりはない」とコメントしています。

エジプト革命以降のエジプトの政治はムスリム同胞団が過半数を構成しムハンマド・ムルシーが大統領になっていますが、今回の外交官引き揚げはムバラク政権がずっと堅持してきた、キャンプ・デービッド合意以降の中東和平プロセスを大きく後退させることにつながる懸念があります。

キャンプ・デービッド合意とはアメリカのジミー・カーター大統領があっせん役となって1978年にイスラエルのメナヘム・ベギン首相とエジプトのサダト大統領が翌年に締結された平和協定に向けて和解の合意をしたことを指します。

この時、エジプトのサダト大統領はアラブ社会から「ひとりだけ、抜け駆けした」と大きな批判を浴び、これがもとでサダト大統領は後に暗殺されています。

事態は流動的です。