さて、実際にKDPで出してみると、いろいろ勉強になったことがありました。

先ずいきなりマイクロソフト・ワード2009で縦書きで書き始めても、全然オッケー。だからフツーの作者の場合、ePub3とかの勉強をする必要は無いと思います。

僕の場合、海外生活が長くて日本語がおかしいので、正しい日本語を書くための勉強、具体的にはワードで段落を設定する際、最初の字下げをちゃんと設定するとか、「」で会話文を入れた場合は字下げをしてはいけないとか、安易にスペース・バーで字下げしたつもりでも、キンドルではキレイに反映されないとか、そういうルールを勉強するのに時間がかかりました。

最初に書いた作品である『いきなりニューヨーク…』は、キンドル本ランキングで49位になった頃に、突然、「いまご利用できません」という表示が出てSTOPされました。

これは文字化けが原因でした。

文字化けが起きた理由は文章中、分数を使用したところで、HTMLの記号が混ざってしまい、キンドルで正しく表示されないという問題が生じたからでした。

これは僕の憶測ですが、『いきなりニューヨーク…』は、最初、Google Docsというクラウドの文書ソフトを利用して仕事の合間に気が向いた時に書いていたのを、後からコピペでマイクロソフト・ワード2003に張り付けたのです。そのとき、HTMLの文字が移ってしまったのではないかしら?と考えています。(このへんは専門家じゃないので、自信ないですが)


またKDPはワード2003は駄目で、ワード2009以降のものでないとペケのようです。これも最初は気がつかなかったのでワード2003→ワード2009と保存し直したりしました。

そんなこんなで仕上がった時にはいろいろなレガシーの文書がフランケンシュタインのように継ぎ接ぎになっており、『いきなりニューヨーク…』をキンドルで見た場合、行間のスペースが詰まっているところとスカスカのところがあり、出鱈目になっています。これはそのような横着が原因なのかな? と思っています。

まあ、要するに最初からワード2009一本に絞って書けばよかったわけです。

そんなわけで「株モノ」ということで読者に一番支持された『いきなりニューヨーク…』が11月1日からSTOPした関係で、「スタートダッシュでキンドル・ランキングを駆け上がるぞ!」という僕の目論見は、出だしからズッコケました。

でもキンドルのベストセラー・ランキングの1ページ目(つまり第1位から第20位)に入るということは、とても大事だという考え方は変わっていません。

なぜなら電子書籍はその存在を消費者の方々に発見してもらうのが一番難しい箇所だからです。この部分が、実はKDPをやる人が最も真剣に取り組まないといけない部分ではないかしらと思います。

紙の本なら最低印刷する数量が決まっているので、それが本屋に並ぶとある程度のエクスポージャー(露出)は得られます。でも電子書籍の場合、無名の作家がひっそり自己出版でUPしても、その存在すら知らないままに誰からも顧みられず片手で数えられる程度しか売れずに終わるというケースが多いと思うのです。

その点、見事ランキングNo.1を獲得した『Gene Mapper』の藤井さんは鮮やかな手並みでした。もちろん作品自体に魅力がなければ到底達成できない偉業だと思うけど、ちゃんと専用ホームページや制作日記ブログなども整備して、認知を高める準備をやっている……。彼は「自己出版、かくあるべし」というひとつの雛型を今回確立したと思います。

その『Gene Mapper』は通勤電車の中でスマホで執筆されたものだと記事で読んで、驚きました。新しいメディアの登場は、新しい表現のスタイルの確立を喚起すると僕は日頃から考えてきましたけど、もうそれが『Gene Mapper』で現実になっちゃってる……。

実は(キンドル・ダイレクト・パブリッシングで、どういう表現のスタイルを取るか?)という事は、僕がかなり思案した部分です。

(つづく)


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