ヘルメリッチ&ペイン(ティッカー・シンボル:HP)は業種で言えば石油サービスに属します。

同社は主に米国国内で248基の石油・天然ガスのリグ(油田のやぐら)を操業する下請け業者です。同社の「フレックス・リグ」はシェール・ガスやシェール・オイルの生産に特に適したデザインになっています。

このため同社は他の石油サービス業社が軒並みマーケット・シェアを落とす中で、どんどんシェア・アップしています。同社の10年前の米国内陸リグマーケット・シェアは7%でしたが、現在は14%となっています。

その一因としてリグに要求される性能が、過去10年間に大きく変わったことが挙げられます。10年前はバーティカル・リグ(垂直油井)と呼ばれる旧式なリグが65%、ホリゾンタルないしはディレクショナル・リグ(水平ないしは斜め掘りリグ)は35%に過ぎませんでした。

現在ではバーティカル・リグは全体の28%にまで減少し、代わってホリゾンタルないしはディレクショナル・リグが72%に増えています。ヘルメリッチ&ペインは後者のリーダー企業です。

米国の内陸リグの稼働数の統計であるベーカー・ヒューズ・USリグカウントは2011年9月に2,000基でピークを打ち、現在は1,800基前後で推移しています。


ヘルメリッチ&ペインの過去10年間の一株当り売上高(SPS)は年率11.5%で、一株当りキャッシュフロー(CFPS)は年率12.0%で、一株当り利益(EPS)は年率14.0%で成長してきました。
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同社の一株当り配当(DPS)はそれらに比べて+4.5%と伸びが低く、増配余地が大きい事を示唆しています。

同社のマージンは安定的に推移しています。
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ヘルメリッチ&ペインはほぼ無借金経営です。株主資本利益率は15.0%です。

シェール・ガスの過剰生産で天然ガス価格が急落し、米国のシェール・ガス生産は現在調整局面に入っています。これを反映してヘルメリッチ&ペインの株価も足踏みしています。
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