カントリー・スタディ ベトナム


ベトナムは共産主義の国ですが庶民の気質は資本主義国に近いです。

例えば昼間の仕事がお役所勤めとか学校の先生であっても家に帰れば内職のひとつでもかけもちして複数の収入の途を確保するのが良い亭主であるという価値観があります。

お金儲けのやり方をいちいち指導しなくてもベトナム人はよりお金が儲かるようにいろいろ工夫します。つまりベトナム人には生来の起業家精神というものが備わっているのです。

一般にベトナム人は勤勉ですし読み書きなどの基礎教育も発展途上国の中では極めて行き届いているので雇う側としては即戦力になりやすいです。

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またベトナムでは女性が強いし、働き者です。実際、アフリカ諸国を除けば15歳から24歳の労働力参加率で女性が男性を上回っている国はベトナムくらいのものです。

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ベトナムは現在も基本的には農業国です。農業セクターの就業人口は1990年の84%から2005年には56.7%にまで下がってきましたが、まだ過半数の国民が農民であることには変わりありません。

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ドイモイ政策(経済改革)導入後のベトナムの経済が比較的上手く行った理由として土地改革や農業製品の海外輸出の拡大が上手く行ったことが挙げられると思います。その農業の生産性なのですが実は豊かなイメージとはウラハラに余り一人当たり生産性は高くありません。

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これには地域によって格差が大きいことも影響しています。具体的には中部沿岸地域は土地が痩せていて耕作に不向きですし、北部のレッドリバー・デルタ地方などは限られた土地に人口が多すぎることが主な原因です。南部のメコン・デルタの生産性が突出している点に注目して下さい。また中部高地はコーヒーの栽培などが寄与しています。

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ベトナムが基本農業国であり、しかも地域によって豊かさが大きく異なるということはそれぞれの地域に暮す人々の性格や価値観に少なからぬ影響を与えています。

例えば中部沿岸地域は歴史的にベトナムの中で最も貧しい地域なのですが、ここは学問が盛んでホー・チ・ミンをはじめ数々の政治家や学者を輩出しています。

南は自然に恵まれており人々の気質は穏やかで、商売などに対する関心が高いです。

レッドリバー・デルタなどの北部は共産党のルーツの土地であり、政治色が強いですし、南の人たちを見下したところがあります。


カントリー・スタディ ベトナム は2007年に楽天証券のホームページ上の『新興国投資レポート』で掲載された過去記事に加筆、削除、アップデートを加えたものです。