クリスマスです。マーケットも閑古鳥です。家人が未だ寝静まっている間に、アフォな妄想を一人で膨らませています。

それはカナダのバンクーバーから北に上った、ブリティッシュ・コロンビア州キティマットに西部劇に出て来るようなサルーンを開業してはどうか?という唐突なアイデアです。

そう考える理由は福島原発事故以来エスカレートする日本、韓国、中国などによる天然ガス争奪戦の「漁夫の利」を得て、この町が将来、ブームタウンになることが運命付けられているからです。

説明します。

今日、アメリカの大手石油会社、シェブロン(ティッカー・シンボル:CVX)が、カナダの石油会社、エンカナ(ティッカー・シンボル:ECA)ならびに米国のEOGリソーセズ(ティッカー・シンボル:EOG)からブリティッシュ・コロンビア州のシェールガスの権益を譲り受けました。ウォールストリート・ジャーナルはシェブロンが支払った金額は13億米ドル程度だろうと推測しています。

このディールによりシェブロンは同じくアメリカの独立系石油会社、アパッチ(ティッカー・シンボル:APA)と共同でブリティッシュ・コロンビア州のシェールガス開発を進めてゆくことになります。シェールガスの探索生産は主にアパッチが担当して、それの輸送ならびにマーケティングはシェブロンが担当することになるそうです。(このプロジェクトは、たぶん「KLNG」という名称だと思います)

アパッチが生産したシェールガスはパイプラインでブリティッシュ・コロンビア州の港町、キティマットに送られ、そこでLNG(液化天然ガス)にされて、極東に向けて輸出されるという計画です。

今日の発表では、単にシェールガスならびにパイプラインなど付帯施設の権益がエンカナ、EOGからシェブロンへ肩替わっただけですけど、これは業界関係者にとっては大きな意味を持ちます。なぜならエンカナやEOGはプロスペクター(石油や天然ガスの探索をするひと=つまり言葉は悪いけど、山師)としての性格が強く、一方、シェブロンは川下、とりわけLNGのグローバル・マーケティングでは実績を持っているからです。


つまりシェブロンが登場することで、キティマットに同コンソーシアムが天然ガスを液化するプラントを建設することは、ほぼ確実になったということです。ウォールストリート・ジャーナルの予想では、大体、30億米ドルくらいの総工費がかかると見られています。

さて、キティマットでは、今回の話よりも一足先に別のグループが同様の事業計画を勧めています。それはロイヤルダッチ・シェル(ティッカー・シンボル:RDS.A)を中心とするグループです。こちらのプロジェクト(=「LNGカナダ」と呼ばれているようです)には日本の三菱商事、韓国ガス公社、中国石油天然気(ペトロチャイナ)がそれぞれ20%出資・参画しています。詳しくは三菱商事のプレスリリースを見て下さい。

たぶん事業スケールでは「LNGカナダ」の方が「KLNG」より二倍以上、大きいと思います。ただアパッチ、シェブロン連合は既に輸出許可証を受けているので、プロジェクトの立ちあがりはこちらの方が早い筈です。

競合する二つのコンソーシアムが、重複するLNG輸出ターミナルをキティマットに建設するという構図は、ちょっとマズイ気もします。でも近い将来、キティマットの町が建設作業員やエンジニアや商社マンで溢れる可能性が大きいです。

キティマット港はカナダ西海岸で三番目に大きな港で、冬季でも凍結せず、水深が深いです。詳しくはキティマット港のパンフレットを見て下さい。

現在、キティマットで最も大きな雇用者はリオチント・アルキャンで、1,500人程度を雇用しています。これがキティマットの平均家計収入(約7万カナダドル)が高い理由です。

リオチント・アルキャンは精錬所拡張計画を既に実行に移しており、ピーク時で1,500人程度の臨時建設労働者がキティマットに来ると見られています。なおKLNGのプロジェクトに従事する臨時建設労働者はピーク時で2,500人と見られています。

キティマットの町は人口九千人で、キティマットのコミュニティ開発計画局のファクトシートによると借家の空き家比率は5.4%(2011年秋現在)だそうです。三寝室のタウンハウスの家賃はC$695です。

一方、一戸建ての価格は13.7万カナダドルです。カナダの標準である25%頭金に基づいた住宅ローン(約10万カナダドル)の月々の払いはC$600で、これはキティマットの平均世帯所得の僅か9.7%ですので、きわめて楽勝でローンを払える人が多いことを示唆しています。

なお3月にまとめられた包括的住宅需要調査では今すでに217件の廉価な借家が不足しているそうです。

問題は建設プロジェクトが終了してしまうと臨時建設作業員人口が激減し、住宅は余剰が発生する懸念がある点です。

また仮設住居やケータリングは、たぶんこれらのプロジェクトが自前で段取りを付けてしまうと思うので、個人事業主が入り込む余地は無いかも。

それならゼッタイそれらのプロジェクト参画企業が自前で調達する筈の無い、パブとかストリップ・クラブのようなエンターティメント系で勝負するというのは、どうでしょう?

西部劇に出て来るようなSaloonにネエチャン達をはべらせて、娯楽に飢えた建設作業員目当てに商売するわけです。
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