アップルは9月決算の会社です。9月の最終週の土曜日に決算を〆ます。従って次の決算発表は2013年第1四半期(2012年12月〆)ということになります。

アップルの株主にとって、1月24日に予定されている、この決算発表は極めて大事です。その第一の理由はこのところアップルは二回連続して四半期決算を取りこぼしているからです。さすがに三回連続してディサポイントメント(=落胆すべき決算)になれば、投資家は許さないでしょう。

もう一つの理由は、単純に、今回の決算が過去に無い、メガトン級のでかい決算だからです。iPhone5、iPad Miniなどの新製品がクリスマス商戦に向けて発表され、それがまるまる今期の売上高の中に捕捉されるからです。

下はアップルの四半期売上高の実績ならびに予想のグラフです。赤で示された部分が今回、1月24日に発表予定の決算になります。(バリューライン社の予想値は543.5億ドル)
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すると上のグラフからわかる通り、2013年度の四半期決算の第1四半期に相当する今回の決算が、売上高ベースでは本会計年度で最も大きなクウォーターになるわけです。だから、今回の決算でずっこけると、それを挽回するのはかなり苦しいわけです。


なおクリスマス商戦にかかる四半期がアップルにとっていちばんデカイ四半期になる現象は、比較的最近顕著になったトレンドです。コンシュマー・グッズの会社であり、しかも昔よりマーケットシェアが遥かに高くなったという事情から、このような季節性が出て来るのは致し方ないと思います。

因みに去年の第1四半期(上のグラフの2011年12月期)にも同様の凸がありましたが、この時はコンセンサス予想を+37%も上回る、ぶっちぎりに良い決算でした。アップル株の上昇に拍車がかかるキッカケを提供したわけです。

新年に入ってからのアップル株は、ちょっとギクシャクした取引になっています。今度の決算が、ひょっとすると悪くなるのではないか? というアナリストのコメントがちらほら聞かれているからです。未だ決算までには時間があるので、コンセンサス予想やウィスパー・ナンバー(=直近の囁き数字)についてはまたの機会に譲ります。

今日のところはこれまでのアップルの業績を巨視的に振り返るにとどめましょう。先ず同社の近年の業績は次のようになっています。
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DPSというのは一株当り配当です。アップルの過去5年のEPS(一株当り利益)成長率は年率64.5%でした。CFPS(一株当りキャッシュフロー)成長率は年率61.5%でした。SPS(一株当り売上高)成長率は年率35.5%でした。これらはいずれも驚異的な数字です。

2012年度の営業マージンは37.4%でした。これもガジェットのメーカーとしては驚異的に大きなマージンであり、プレミアム価格戦略の賜物であると言えます。
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しかし現在のアップルのPER(株価収益率=株価をEPSで割り算したもの)は約11.5倍であり、これはS&P500の平均PERの0.74倍程度です。つまり市場平均PERよりアップル株は低い評価に甘んじているわけです。

およそ米国の株式市場に上場されている大型株で、アップルほど業績を急拡大した企業はありません。それにもかかわらずじりじり同社株の評価が下がっているのは同社の成功を額面通り素直に受け入れない投資家が増えていることを示唆しています。
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どんなに成功したブランドでも、全ての消費者を満足させる製品を出し続けることは困難です。いまアップルが直面しているのは、消費者の、そんなインポシブルな要求というわけです。