Market Hackでは日頃、米国のいろいろな企業の業績を一株当りデータに基づいて議論しています。でも考えてみたらこれまで「平均って、どうなのよ?」という事に一度も言及してきませんでした。これは、良くない!

比較の基準を提供する意味で、今日は「ごく平均的なアメリカの会社って、どのくらいの業績を出しているの?」という事を紹介します。ここで使うのはバリューライン(=アメリカの「四季報」に相当)の調査する945社の平均値です。
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【データの読み方】
DPS 一株当り配当
EPS 一株当り利益
CFPS 一株当りキャッシュフロー
SPS 一株当り売上高

さて、ここでいつも言及している「Market Hack流の銘柄の斬り方」を紹介します。

「Market Hack流の銘柄の斬り方」ではレシオということを重視します。つまり黄金比でも女性のプロポーションでも何でもいいわけですけど、美しさには或る一定の比率というものがあるわけです
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それは企業の業績でも同じこと。まず;

CFPS÷SPS=キャッシュフロー・レシオ


を見ることにしましょう。バリューライン・インダストリアル・コンポジット、つまりアメリカの「中の中」の企業の2013年の業績を例に取ると;

4.65÷38.95=0.1194


つまり11.9%になるわけです。理想のキャッシュフロー・レシオは15%~35%程度です。

次に;

DPS÷EPS=ペイアウトレシオ


を見ることにします。バリューライン・インダストリアル・コンポジットの2013年の業績を例に取ると;

0.9÷3.05=0.295


つまり29.5%になるわけです。すると平均的なアメリカの会社は一株当り利益の約3割は株主に配当として還元しているということなのです。

このペイアウトレシオは若い急成長企業の場合はゼロであることも多いです。逆に成熟産業であれば利益の50%程度を配当に回してしまう例もあります。過去のDPSとEPSの伸び率を比較して、DPSの方が高い成長をしていれば、その企業はだんだんペイアウトレシオを引き上げていることになるわけです。

なおペイアウトレシオは高すぎてもいけません。

この他、バリューライン・インダストリアル・コンポジットの平均で見ると、過去5年の成長率はそれぞれ年率で次のようになっていました;

売上高成長率 5.1%
キャッシュフロー成長率 5.1%
EPS成長率 4.3%
配当成長率 7.5%


また2013年の営業マージンの予想値は16.5%、純利益マージンは7.8%、株主資本利益率は18.5%、設備投資対売上高比は4.3%でした。

現在の平均PER(株価収益率)は14.6倍、配当利回りは2.0%です。