ニューヨーク・タイムズが今日、「バーンズ＆ノーブルが電子書籍リーダーへの継続投資を見直し」と題する記事を掲載しました。

それによるとバーンズ＆ノーブル（ティッカー・シンボル：ＢＫＳ）は先週木曜日に発表された第３四半期決算でヌック・メディア部門（同社のデジタル出版部門＝電子書籍リーダー、「Nook」を含む）の売上高が当初予想を大幅に下回り、結果として赤字が予想より大きくなってしまったことを明らかにしました。

このため将来に向けて果敢な先行投資をしてきた同社のデジタル路線は「事実上終了になりつつある（…has run its course.）」と形容されています。

ＮＹタイムズによれば今期中に同社の経営陣が「このまま自社の電子書籍リーダーの製造にこだわっていたら、駄目だ」と悟ったのだそうです。つまりオリジナルのコンテンツをオリジナルなデバイス（＝つまりNook）だけで売るという、閉じた戦略を見直し、より包括的なアプローチを検討する時期に来たというわけです。

その一環としてマイクロソフト（ティッカー・シンボル：ＭＳＦＴ）やSamsungなどのタブレットのメーカーとパートナーシップを強化する意向がシグナルされています。

バーンズ＆ノーブルのヌック・メディア部門に対しては去年、マイクロソフトが６億ドルの出資をし、さらにピアソンが9,000万ドル出資するなど、アマゾンの独占を快く思わない企業がいろいろ支援してきました。

またニューヨーク・タイムズは「Nook」電子書籍リーダーそのものの使い勝手に関するレビューは良かったが、アップル（ティッカー・シンボル：ＡＡＰＬ）やアマゾン（ティッカー・シンボル：ＡＭＺＮ）の前にブランド力が無さ過ぎたと指摘しています。つまりスケールメリットを出せるところまで行かなかったというわけ。

今日、バーンズ＆ノーブル株はレオナルド・リジオ会長が同社の書店部門を買収し、ヌック・メディア部門は別会社としてスピンオフする意向があるという材料で＋８％上昇しています。

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