【極端なシナリオは、実現しにくい】
世の中は、煽りに満ちています。「日本の国家破綻に備えよ!」とか「財政崩壊」とか、そういう活字が連日、メディアで踊っているわけです。

これについては僕の師匠の田端信太郎さんから面白い事を聞きました。

田端: 何だかんだ言って、結局、日本人はリスクという言葉に凄い敏感なんです。リスクとか破綻とかというキーワードを見出しに使うだけで、PVがラクショーでUPします。


この貴重なアドバイスを受けて以来、僕も記事中で努めてリスクという言葉を使うようにしています(笑)

しろうとほど、リスクという言葉に、弱い。

ところがプロの人たちは「国家破綻」とか「リスク」とかの言葉は、なんとも感じないのです。そんな極端なシナリオは、めったに実現しないことを実務の経験から知っているからです。

【プロを「ひいひい」言われせる殺し文句】
その半面、プロがコロッと参る殺し文句というのがあります。

それは「ヒタヒタ」です。

だから春山昇華さんがブログやFacebook上でちょっと「ヒタヒタ」という言葉を使っただけで、僕などもうGスポットをしゃぶられまくったように心のガードが下がってしまう訳です。「もうどうにでも好きにしてっ!」ってM字開脚状態。

それはなぜか?

その理由は極端なシナリオがめったに実現しないのと対照的に、ヒタヒタは、しばしば至現する現象だし、みんなが乗れているヒタヒタに、自分だけ乗れていない状況になったら、これほどプロとして危険きわまりない事は無いからです。


ヒタヒタの怖さは、知らず知らずのうちに、それが進行するという点にあります。毎日の変化は小さいけれど、気がついたら大きな差がついていた……これはウサギとカメに例えれば、カメのアプローチです。

プロの仕事とはなにか?

それは日々の小さな(incremental)変化を観察し、大事な変化を見逃さないということに尽きます。それは根気の要る事だし、セクシーではありません。センセーショナリズムの正反対というわけです。

ヒタヒタのトレンドに完全に乗り遅れたことに後で気がついたら、それは取り返しのつかない状態になります。貧すれば鈍するで、そういう人ほど「ホームランか、三振か?」というバクチ的な方法で挽回しようと試みるわけです。そこでしくじって「退場」というわけ。

【読者が反応するのは壇蜜みたいな株ばかり】
僕もブログを書き始めてからもう何年にもなるわけだけど、そこでひとつわかったことがあります。それはこのブログではIPOしたての、若い会社についても書くし、退屈きわまりない地味な銘柄についても書いているのだけれど、読者が圧倒的に反応するのはクネクネした壇蜜みたいな妖艶な銘柄だけだということ(笑)

だからブリティッシュ・アメリカン・タバコ(ティッカー:BTI)とかストライカー(ティッカー:SYK)などの地味なヒタヒタ銘柄の話をしても、ゼッタイに読者は乗って来ない。

もちろん、僕も「私の奴隷になりなさい!」って感じの、チャラチャラした銘柄ともお付き合いします。でもアソビにはアソビのルールというものがあるのです。それは決算発表の際、EPS、売上高、ガイダンスのうちどれかひとつでも取りこぼすことが二回続いたら、スッパリ別れるということ。

壇蜜みたいないい女と仮にセフレになれたとして、二回連続してデートをすっぽかされたら、あなたはどう思いますか? それはつまり「終わっている」ということでしょ? ところが、その客観的事実を、ダメ男は直視できない(笑)

だから他の投資家がヒタヒタ資産を増やしているのに、自分だけが、ただれたカンケーの虜になり、貢クンで終わってしまうのです。

このように大抵の人は銘柄に投資(=心中)してしまって、ルールに投資をしていない。

まあ、言うのはカンタンなんですけどね……。