キプロス政府が、同国の銀行を救うため、必死で対策を練っています。

いま議会は慌てて銀行を強制的にシャットダウンできる強制権を発動できるよう、法律の改正を試みています。

なぜ強制的に銀行を潰す法律が、同国の銀行を救うことになるのでしょうか?

それは危機に瀕した銀行を「グッドバンク」と「バッドバンク」にすみやかに二分割した方が、ダメージが小さくて済むからです。これをやらないと「出血多量」で、再生すら出来なくなってしまうのです。でも今、政府にはその権限はありません。

法案の採決は、当初今夜行われる予定でしたが、明日に持ち越されたようです。

でも一回倒産させて、再生させるという論理は、一般の庶民には到底理解できないようです。

下のビデオはウォールストリート・ジャーナルのマルティナ・スティーブスが撮影したものですけど、首都ニコシアの議会の前でヒステリー状態になっている庶民の様子です。かれらは同国で最も大きな産業である銀行が閉まることで失業者が街に溢れることを懸念しているわけです。



現在、特に問題になっているのはライキバンク(別名キプロス・ポピュラー銀行)です。この銀行のうち、健全な資産(=つまりグッドバンク部分)を切り離し、バンク・オブ・サイプロス(別名キプロス銀行)と合併させ、その存続銀行に欧州中央銀行(ECB)から継続して緊急流動性支援プログラム(ELA)の酸素補給をしてもらうというのが、現在の作戦です。

ただ欧州中央銀行は「早く解決策を提示しなければELAはストップする」と最後通牒を言い渡しました。

バンク・オブ・サイプロスもライキバンクも、貸付原資の大部分をコア・デポジット(小口預金)に依存しており、金融債などの代替的ファンディング・ソースへの依存度が低いです。

これは通常の環境下では理想的なファンディング構造です。

でも現在のように取り付け騒ぎ状態になると、資本を構成する他の部分をやりくりしても、到底、銀行を立て直すことはムリになるのです。

すると……やっぱり庶民の預金に手をつける以外に途は無いのです。このへんの事情に関しては以前の記事に書いたので参考にして下さい。