ブリュッセルで開催されていた欧州連合(EU)とキプロスとの会合で、大筋の合意が形成されました。

それによると先ず先週、キプロスが採択した銀行再生法案に基づき、経営危機に陥っているライキバンク(=キプロス第二位です。キプロス・ポピュラー銀行とよばれることもあります)を速やかにグッドバンク(良い部分)とバッドバンク(悪い部分)に分割することになりました。

良い部分はキプロス最大手銀行であるキプロス銀行と合併されます。このとき、ライキバンクの10万ユーロ以下の預金もキプロス銀行に移管される予定です。

問題は預金保証の対象になっていない10万ユーロを超える部分です。

ライキバンクの大口預金に関しては、これから銀行を解散する過程で、いろいろな損が発生すると予想されます。その損の穴埋めに預金者の10万ユーロを超える部分の預金が投入されるのです。


このため最悪のケースでは10万ユーロを超える部分の預金に関しては全損になる可能性もあります。これは所謂、預金税ではありません。ただ預金者のお金が消滅するという意味では実際の効果としては同じことです。

なお、今回、キプロス政府と欧州連合の間で合意された内容は、今後、欧州連合とドイツ議会の両方で承認される必要があると思われます。

また合意に至ったとはいえ、今回の措置が円滑に実行されるかどうかは未だ予断を許しません。テレビでキプロスの惨状を見たギリシャやスペインの預金者が、浮足立って預金を引き出し始めるリスクもあるのです。

そのへんをよく見極める可能性があります。

また金融市場が荒れるようだと欧州中央銀行(ECB)が抜き打ち的に利下げに踏み切る可能性もゼロとは言えません。