衛星テレビのサービスを提供しているディッシュ・ネットワーク(ティッカー・シンボル:DISH)が、けさスプリント・ネクステル(S)を255億ドルで買収すると発表しました。

その買収提案によるとスプリント・ネクステルの株主はスプリント・ネクステルの一株につき$4.76の現金とディッシュの0.05953株(=スプリントの株価にして$2.24に相当)を受け取ります。これらを合計すると$7になります。

先週金曜日のスプリントの引値は$6.22で、現在、プリマーケットで同社株は+15.11%の$7.16で取引されています。つまりプリマーケットの株価は、既にディッシュの提示した価格より上で取引されているのです。

これは市場参加者がソフトバンクとディッシュの間でスプリントの買収合戦になることを予期していることを意味します。

ディッシュは未使用の周波数帯域を持っており、衛星テレビの顧客にスプリントを通じてスマホのサービスも提供する、いわゆるコンバージェンスの提案を行う意図を持っています。

衛星テレビの視聴者数は低成長なのに対し、スマホのユーザー数は高い伸びを示しています。


ただディッシュは既存のセル・タワーなどの携帯電話向けネットワークは未だ構築しておらず、これからインフラを整備するのには時間がかかります。スプリントを買収すると、待たずにスマホのビジネスに参入できるというわけ。

なおスプリントの売り上げ規模は年商353億ドル、一方のディッシュの売り上げ規模は143億ドルに過ぎないので、これは「小が大を呑む」買収です。

それからディッシュがスプリントを買収した場合、新会社は360億ドルの負債をバランスシートに抱えることになります。これはかなりきつい水準です。

スプリントの側からディッシュのオファーの良い点を考えると、先ずスプリントの事業に現金が注入されると言う点が挙げられます。またディッシュが既に持っている周波数帯域を獲得できます。これらはソフトバンクの提案にはありません。さらにソフトバンクの提案はディッシュの提案より13%低い提示価格となっています。

なおソフトバンクはスプリントを別会社のまま運営し、経営陣も残すとしているのに対し、スプリントがディッシュに買収された場合は経営陣はかなり入れ替えられると予想されます。