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世界の株式市場がどのような構成比率になっているのかを知ることはポートフォリオを構築する上で参考になります。

下はMSCIのACWI指数の構成比率です。

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MSCIはMorgan Stanley Capital Internationalの略で、1960年代にカリフォルニアの運用会社キャピタル・インターナショナルと投資銀行モルガン・スタンレーが共同して「年金など世界の機関投資家が運用のベンチマークに出来る株価指数を考案しよう」という動機から作られたインデックスを指します。(その後、MSCIは独立の会社としてスピンオフされています)

ACWIはAll Country World Indexの略で、世界の全ての「投資可能な」市場が含まれています。これは世界の株価指数の合計とは少し違います。

単純に世界の株価指数を足し上げただけでは、なぜ機関投資家の運用のベンチマークとしては駄目なのでしょうか?

それは株式の持ち合いや創業者の保有する株式など、流通市場に出て来ない株式も時価総額の中に算入されてしまうからです。

機関投資家の立場からすれば、そのような買う事の出来ない株式を運用のベンチマークにすると、ちゃんとした競争にならないという不満がありました。

一例として日本がバブル景気に踊った1980年代は日本の銀行と事業会社の間で株式の持ち合いが盛んに行われました。すると銀行株は市場に出回っている流通玉が少ないので、ちょっとしたきっかけでスルスル騰がり、結果として指数についてゆくことを難しくしました。

MSCIインデックスは、このような歪曲を退け、流動性のあるところ、機関投資家がアクセスできる市場で競争するために作られたわけです。

従って我々個人投資家が世界の株式市場を考える時も、このベンチマークは利用価値が高いです。

組入れ上位銘柄は次のようになっています。

acwi2

つまり最も大きい銘柄であるエクソン・モービルでも全体の1.3%しかないわけです。


ACWIのETFはブラックロックから出されており、iShares MSCI ACWI ETF(ティッカー・シンボル:ACWI)という名称です。これひとつで世界中の1,000銘柄以上に投資できるとあって、極めて便利な存在です。その意味ではビギナーの方にも好適な投資対象と言えます。

ただマイナス面がないわけではありません。

まずこのETFは比較的歴史が浅いせいもあり、流動性がイマイチです。

「これ一銘柄だけを保有し、投資はオシマイ」という横着な発想は、僕はお勧めしません。

なぜなら何らかの理由でこのETFが取引停止や清算されることになったら、アウトだからです。

折角、ETFの内容としてリスク分散が出来ていても、下に赤でハイライトしたような、ETFの商品性に由来するリスクは、依然として残っているわけです。

リスクの種類

これを解決する方法としては、面倒臭くても複数のETFや個別株をポートフォリオに入れることで分散を図るしかありません。

なおACWI ETFの利回りは2.13%、株価収益率(PER)は20.18倍となっています。


まとめると、これから投資を始める人が、まず最初に練習として買う銘柄としては、ACWIは良いチョイスです。
但し、余裕資金が増えたら、これ一本に絞るのではなく、複数のETFや株を持つことで取引リスクを分散すること。