ウォールストリート・ジャーナルが金曜日の引け後に「FRBは景気刺激策からのイグジット方法を模索している」と題した記事を出しました。

記事のクレジットは当代随一のFEDウォッチャー、ジョン・ヒルゼンラース記者です。
ま、最近、ジョンは当って無いんだけどね(笑)

それはそれとしてこの記事はこのところぼんやりとした噂として語られてきた米国連邦準備制度理事会(FRB)の出口戦略模索を、ハッキリとしたヘッドライン記事でウォール街に示すという点で、やっぱり意味があると思います。

なお歴史的にWSJのFEDウォッチャーは、FRBが考えていたり、感じている事で、おおっぴらにボード・メンバーが口にできないようなことを、わざとリークして語らせる、言わばマウスピース、つまり口パク操り人形であると言われてきました(笑)

現在の口パク操り人形はジョン・ヒルゼンラースですが、その前はデビッド・ウェッセル、そしてその前はアラン・マレーが傑出したリップシンクを演じてきました。なおアラン・マレーはWSJのトップのポジションをパスされたので(?)腹いせにWSJを辞めてピュー・リサーチセンターの社長へと華麗なる転身をしています。

あ、前置きが長くなりました。

ヒルゼンラースが今回スクープしているのは(あるいは代筆させられているのは)850億ドルの債券購入プログラムをどう巻き戻しするか?という事について、FRBが大体、その手順を固めたという事です。


それによるとFRBはまずこれら債券の購入量をだんだん減らし、しばし立ち止りながら(in halting steps)雇用市場とインフレへの影響を確認する心算だそうです。

なお、実際にどのタイミングでこの「巻き戻し」プランが実行に移されるのかは未だ議論百出しているようです。

ジョン・ヒルゼンラースによれば「FRB高官は市場参加者が過剰反応しないようにするには、どうすれば良いのか、そのために巻き戻しプランをどう明確化すれば良いのかに頭を悩ませている」そうです。

QEを突然止めてしまうと、市場が急落しかねません。その半面、巻き戻しの時期を失すると、市場がオーバーヒートしてしまう懸念もあるのです。逆にFRBのメンバーの中には、過去に他のプログラムを早く終了しすぎたことを反省する声もあります。

最近の米国の消費者物価指数はFRBが不安を持ち始める2%より遥かに低い水準で推移しており、当面、これは議論のフォーカスではありません。

むしろ雇用の改善(それはかなり改善してきているわけだけど)をどの辺りで「これでよし」とするか? にフォーカスが向かっています。また「そろそろ、いいよね」という認識になったときにFRBが出口戦略終了に関して十分な裁量の余地(=フレキシビリティ)を持てるようにしておきたいというのがFRBの関心事となっているそうです。