ブラックロック(ティッカー・シンボル:BLK $283.35)は3.96兆ドルを運用する、世界最大の資産運用会社です。

同社は機関投資家、個人投資家、アイシェアーズ(=同社のETFのブランドです。機関投資家、個人投資家の両方が利用します)と言う三つの顧客向けの商品を提供しています。

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なおアイシェアーズ(iShares)はETFのマーケットシェア首位です。

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運用商品の構成は下のようになっています。

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同社はライバルのPIMCOやフランクリン・リソーセズ(ティッカー・シンボル:BEN)ほど債券ファンドに対する依存比率が高くないので、今後来ると思われる債券の弱気相場の局面でも経営に対する影響は限られています。


ブラックロックはラリー・フィンクという伝説的な経営者が1988年に創業した運用会社で、当初はブラックストーン・グループの資産運用部門という位置付けでした。しかし他のブラックストーンのファンドと区別するためブラックロックと改名し、その後、ブラックストーンのグループを離れました。

同社は中堅銀行、PNCフィナンシャルと業務提携し、その後、PNCの運用部門と合併しました。

ブラックストーンは2006年に投資銀行メリルリンチからメリルリンチ・アセットマネージメントを買収しました。これはブラックロックにとって大変貌を遂げる快挙でした。なぜならメリルリンチ・アセットマネージメントは欧州屈指の運用会社WAM(ウォーバーグ・アセットマネージメント)を傘下に持っていたからです。

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その翌年、ブラックロックはクウェロス・グループを買収します。クウェロスはジョージ・ソロスのヘッジファンドのゲートキーパー(=ヘッジファンド購入に際して、交通整理をする人)を務める、ファンズ・オブ・ファンズ(FOF)です。

2009年にブラックロックは再び重要な買収をします。それは世界最大のパッシブ運用、ならびにETFの運用会社であるバークレイズ・グローバル・インベスターズ(BGI)の買収です。

世の中がアクティブ運用からパッシブ運用へと次第に移行し、しかも従来の投信(ミューチャルファンド)からETF(上場型投信)へと移ってゆくトレンドにブラックロックは見事に乗ったわけです。

こうした相次ぐ絶妙な買収で、同社は他の資産運用会社を圧倒する業績を出しています。

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【略号の見方】
DPS一株当り配当
EPS一株当り利益
CFPS一株当りキャッシュフロー
SPS一株当り売上高


(文責:広瀬隆雄、Editor in Chief, Market Hack

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