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インベスターズ・ビジネス・デイリー(IBD: Investor’s Business Daily)は「アメリカの株式新聞」のような存在です。

この新聞は日本では全く無名であり、アメリカでもごく一握りの「株ファン」若しくはヘッジファンド・マネージャーだけが購読しています。

いわゆる「地場新聞」なので、一般のニュースを取得するのには向いていないし、政治のコラムは極端に共和党寄りに偏向しています。

しかしこと株式市場の解説や、銘柄の紹介になるとウォールストリート・ジャーナルやフィナンシャル・タイムズを軽く凌ぐ、極めて研ぎ澄まされた感性を発揮します。

それもその筈、この新聞はテクニカル分析とツール開発で有名なウイリアム・オニールが立ち上げた新聞だからです。オニールは俗に「ブルー・ブック」、「グリーン・ブック」と呼ばれる、チャートブックを出版してきた版元でもあり、ファンドマネージャーの多くは週末にこのチャートブックに全部目を通すことを習慣にしています。

またオニールのツール、WONDAはヘッジファンドなら必ず購入しているチャート・ツールです。(現在はMarket Smithというツールに衣替えしています)

なおIBDの内容はInvestors.comというサイトからアクセス出来ます。

前置きが長くなりましたが、そのIBDが6月11日の引け後に「米国市場は調整局面入りした」と宣言しました。英語で言えば「Market in correction」です。

IBDはオニールのテクニカル分析の尺度に基づいて、きわめて機械的に「強気局面入り」とか「調整局面入り」とかを宣言します。主観や感情を一切、排しています。

シグナルが出れば、このように意見を変えるので、コロコロ意見が変わることもあります。最近は「調整局面」がごく短い(数日の場合も…)ケースが多かったです。

IBDが、その株式市況欄、The Big Pictureで「調整局面入り」を宣言すると、ディストリビューション(=前日より出来高を伴って相場が下げた日)のカウントが「0」に戻されます。

ディストリビューション・デーは2週間くらいの間に5日以上累積すると、調整局面が間近に迫っているという警告だと解釈されます。因みに6月10日引け後でのディストリビューション・カウントはS&P500が6、ナスダックが4でした。

IBDはマーケットが「調整局面入り」した後は新規の買い建てを控えるようにアドバイスしています。