ブルームバーグ端末を通じてユーザー・アクティビティを盗み見し、それを記事の取材に使っていた事件で、ニューヨーク・タイムズが、報道機関としてのBloombergの腐った企業風土を、しつこく暴いています

今日、第一面に掲載された記事ではブルームバーグの共同創業者のトーマス・セカンダ氏が社内のミーティングで「価値ある記事とは、相場を動かす記事だけだ」と檄を飛ばすシーンが引用されています。

つまりジャーナリズムの矜持とか、公平性とか、ピュリッツァー賞とかは、どうでもいい。兎に角、「相場を作る」ことのできる記事を書け!というわけです。「そのためには、何でも利用しろ!」というプレッシャーが、記者にのしかかってきます。

UUIDを悪用した、端末ユーザーの行動を盗み見することによる記事ネタ探しは、一部の「腐ったリンゴ」が起こした事件ではありません。

会社ぐるみで、そういうデータ提供企業としてのブルームバーグと、ニュース・オーガニゼーションとしてのブルームバーグの混同が奨励された結果です。

ジャーナリストとしてやってはいけない一線を超えた、情報の悪用は、そういうアグレッシブで「なんでもアリ」の企業文化から出た、当然の結末というわけ。

アメリカでは「Bloombergニュースは、ださい」ということはプロの間では常識になっています。(いつも書くように、ボクはブルームバーグをMarket Hackで引用することは、死んでもやりません。業界人としての最低限のプライドがあるから)

でも日本でそういう機微をちゃんとわきまえているのはFACTAくらい。

「三流記者ぞろい、海外メディアの東京支局」

ちがうんです、ファクタさん。三流記者ぞろいは、ブルームバーグのどの拠点でも、そうです。別に東京にかぎったことではありません。

(文責:広瀬隆雄、Editor in Chief, Market Hack)

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