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アメリカの投資週刊紙『バロンズ』の今週の巻頭特集は「中国の来る信用危機(China’s Looming Credit Crisis)」です。

かいつまんで内容を抄訳しておきます:

これまで中国がどんどん建設してきた道路や高層ビルなどのインフラストラクチャは深刻な供給過剰を引き起こしており、投資リターンを生んでいないため、裕福層は資本を海外へ逃避させている。

「中国は今、ちょうど2008年3月にベアスターンズが破綻した時と同じ段階に来ている。中国政府が大きな金融機関を救済しなければいけなくなったというニュースがもたらされれば、一気に危機が顕在化するだろう」(バンクオブアメリカ・メリルリンチのストラテジスト)

「中国の金融システムの状況は、かなりハラハラさせる局面に来ている。亀裂がいたるところに走っている。借入に基づいたインフラ、住宅、商業施設への過剰投資が向こう2年くらいの間に大問題になるだろう」(ジョージ・マグナス、UBSのアドバイザー)

既に今月に入って、中国の資本市場では巨大な資金枯渇が発生し、金融システム全体の流動性の問題が発生していることを感じさせる兆候を見せている。オーバーナイトのインターバンク・レートは瞬間13%を付け、中堅の政府系銀行であるチャイナ・エバーブライトが9.8億ドルのローンをデフォルトした。

今回のオーバーナイトのインターバンク・レートの急騰は中国政府がシャドー・バンキングを懲らしめるために演出したのだと見るコメンテーターも居るが、流動性の枯渇は2008年の秋に米国やその他の国々で金融システムが痙攣を起こしLiborが急騰した時のような、中国の資本市場のプレーヤー達の間における相互不信を反映しているのかも知れない。

政府の負債だけを除外し、それ以外の全て(家計、企業、地方政府etc.)の負債を足し上げた、社会の負債(societal debt)がその国のGDPの200%に達した時、大きな金融危機が発生している。それはリーマンショック時のアメリカにも当てはまるし、1990年に日本のバブルが崩壊したときにも当てはまる。中国は、いまその水準に達している。

このような社会全体の、借金を是認する風潮は、資源のミスアロケーションを助長し、大体、悲惨な結末を迎える。

去年の中国における信用創造の45%はシャドー・バンキングからもたらされた。

2008年以降、信用はどんどん急成長しているのに、それがGDP成長率になかなか反映されなくなっている。昔は信用成長とGDP成長率はほぼ1:1の関係にあったが、今は1のGDP成長を出すために信用は4増える必要がある。

この資本効率(capital efficiency)の喪失は、先行投資の大半がムダなところへ行っていることを示唆しているし、投資リターンを生んでいないどころか、そもそも売上高すら上がっていないフシがある。

新しい信用は、古いローンを「新緑化(evergreen)」すること、つまりロールオーバーの目的に投入されていると疑われる。

(以下略)