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よくバリュー投資の際、「ワイド・モート(wide moat)」という事が論じられます。ウォーレン・バフェットもこのワイド・モートという言葉をしばしば使います。

でもこれは分かったようで、分かりにくい概念ですよね?

そこで今日は僕なりにワイド・モートを解説したいと思います。

まずモート(moat)ですけど、中世のお城のお堀のことを指します。城池(じょうち)なんていい方がされる場合もあります。

これが巡らされていると、攻城戦のとき、なかなか相手を攻略しにくいです。

つまり投資用語で言うところのワイド・モート銘柄というのは、そういう卓越した防御力を持ったビジネスを指すわけです。

単純に考えれば、誰も参入したくないような仕事は、ある種の防御力を持っていると言えますが、それだけでは投資用語でのワイド・モート銘柄とは言えません。

先ず大前提として、普通の会社以上に儲かっている事が必要です。

次に、その儲けの構造が簡単に消失してしまわない事が条件となります。


それではライバルの参入を撃退する際、何が武器、つまり城池になるか? ですが:

1.事業規模がバカでかい
2.市場占有率が圧倒的である
3.構造的競争優位(=多くの場合低コストになる特別な秘密を持っている)
4.太刀打ちできない無形資産(ブランド)
5.ネットワーク効果
6.ユーザーや顧客にとって乗り換えコストが大きすぎる


などが参入障壁となります。長寿の優良企業は、上に列挙した要素のひとつだけを持っているのではなく、複数の武器を持っている場合が多いです。

そのような深くて幅が広い城池を持っている企業は、簡単に打ち負かすことができないので、自ずと高い潜在事業価値が与えられます

さらに理想的には折角、そういう素晴らしい城池を持っているのだから、その会社の経営者が自ら掘の水を抜いたり、城壁を壊したりするような、防御力の破壊行為をしないことも重要です。その一例は、奢った本社ビルを建てるなどです。

つまりワイド・モート企業の最後のテストは、経営者が資本破壊的投資をしない事、という条件になります。

ここで特筆すべきは、普通、成長株へ投資する際、競争優位の源泉となる、新技術や新製品は、ワイド・モートとは無関係だということです。

最後に僕が考えるワイド・モート企業を列挙しておきます。

エクソン・モービル(XOM)
ウォルマート(WMT)
ゼネラル・エレクトリック(GE)
キャタピラ(CAT)
オラクル(ORCL)
ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BTI)
コカコーラ(KO)