エジプト軍がクーデターにより民主的に選ばれたモルシ大統領を解任しました。代わりに憲法裁判所長官のアドリ・マンスール氏が暫定大統領に指名されました。
エジプト軍が当初望んだシナリオは、モルシ大統領が大統領を続け、時間稼ぎをしている間に、軍主導で同国の迷走する政治を安定化し、経済も立て直すというものでした。
しかし国民のモルシ政権に対する不安は根強く、一方、モルシ政権も全く譲歩の姿勢を見せなかったので、巨大なデモが収拾のつかないカオスになる前にモルシ大統領を権力の座から排除する以外に無かったというのが実情だったと思います。
問題は、動機がどうであれ、これはクーデターに他ならず、折角、エジプトで始められた、民主主義による統治が、挫折してしまったという点です。
軍はすみやかに選挙を行うとしています。しかしムスリム同胞団以外にエジプトにはしっかり組織された大きな政治勢力は無いため、再選挙をしても結果は再びムスリム同胞団の勝利に終わる可能性が極めて高いです。
エジプトに必要なのは反対派による大同連立政権を根回しすることですが、過去にそのような調整をやったことが無いので、それは不可能に近いです。
すると暫定的なカタチで非立憲的な政権が樹立され、軍が実質的に背後からそれを操るという不規則的な統治形態にならざるを得ないのではないでしょうか?
唯一、今回の軍事クーデターを正当化する理由としてはエジプト国民が軍事介入を広く支持しているという事でしょう。でも、それは民主主義ではありません。
エジプトの悲劇は軍隊しか確りとしたインスティチューション(権威組織)が存在しないという点です。これはエジプトに限らず、多くの新興国で見られる現象です。
エジプト軍が当初望んだシナリオは、モルシ大統領が大統領を続け、時間稼ぎをしている間に、軍主導で同国の迷走する政治を安定化し、経済も立て直すというものでした。
しかし国民のモルシ政権に対する不安は根強く、一方、モルシ政権も全く譲歩の姿勢を見せなかったので、巨大なデモが収拾のつかないカオスになる前にモルシ大統領を権力の座から排除する以外に無かったというのが実情だったと思います。
問題は、動機がどうであれ、これはクーデターに他ならず、折角、エジプトで始められた、民主主義による統治が、挫折してしまったという点です。
軍はすみやかに選挙を行うとしています。しかしムスリム同胞団以外にエジプトにはしっかり組織された大きな政治勢力は無いため、再選挙をしても結果は再びムスリム同胞団の勝利に終わる可能性が極めて高いです。
エジプトに必要なのは反対派による大同連立政権を根回しすることですが、過去にそのような調整をやったことが無いので、それは不可能に近いです。
すると暫定的なカタチで非立憲的な政権が樹立され、軍が実質的に背後からそれを操るという不規則的な統治形態にならざるを得ないのではないでしょうか?
唯一、今回の軍事クーデターを正当化する理由としてはエジプト国民が軍事介入を広く支持しているという事でしょう。でも、それは民主主義ではありません。
エジプトの悲劇は軍隊しか確りとしたインスティチューション(権威組織)が存在しないという点です。これはエジプトに限らず、多くの新興国で見られる現象です。