今日、イングランド銀行(BOE)と欧州中央銀行(ECB)の政策金利の発表がありました。
レート自体には変更はありませんでしたが、両方の中央銀行とも、市場との対話の仕方を変更しました。

先ずBOEの会合では、新しく総裁に就任したマーク・カーニーの最初の記者会見となりました。

【BOEの新しいイニチアチブ】
1.詳細な英国経済見通しを声明に盛り込んだ
2.今後のBOEの政策に関するガイダンスを盛り込む方針を打ち出した


このうち2.については8月に発表される「インフレ・レポート」の中で今後のBOEの政策に関するガイダンスを盛り込む理由を詳述するとしています。またガイダンスを出すにあたっては、米国の連邦準備制度理事会(FRB)がやっているように失業率やインフレ率を使った具体的なディシジョン・ポイントを明示する可能性をほのめかしています。

カーニーは元カナダ中銀総裁ですが、カナダでは上記のようなガイダンスを過去にも実施していました。イングランド銀行の中にはそのようなやり方への反発の声もありますが、どうやらカーニーはBOE内での調整に成功したようです。

今回の声明の中では「最近の金利先高観の台頭は英国の国内経済の実情と照らして、正当化できない」として、明らかなトークダウンが行われました。また量的緩和政策の再拡大の決定が、もうすくそこまで来ていることを匂わせました。BOEメンバーの中で、量的緩和政策の拡大を支持する人数は増えています。

全体としてカーニー新総裁のデビューは、ECBのマリオ・ドラギ総裁のデビュー、BOJの黒田総裁のデビューなどと同じく、力強いものだったと評することが出来ると思います。



一方、ECBも異例の措置を発表しています:

【ECBの新しいイニチアチブ】
1.今後のECBの政策に関するガイダンスを打ち出してゆく
2.将来のECBの政策を予め現段階で発表してしまう(=プリ・コミットメント)


このうち2.については「ECBはずっと緩和的なスタンスを維持する」と明言しました。但し緩和的なスタンスを維持する期間については半年なのか、一年なのか明確化せず、またFRBのような失業率やインフレ率を使った具体的なディシジョン・ポイントは示されませんでした。

また今後の金利誘導に関しては下方バイアス、つまり一層の緩和というバイアスを持っていると明言しました。

普段、FRBのコミュニケーションを見慣れている目からすれば、未だもやもやして掴みどころの無いモノ言いですけど、ECBは1999年に発足以来、一度もプリ・コミットメントをしたことが無いことを考えると、これは大事件と言えます。