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ダイレクTV(ティッカーシンボル:DTV)は、日本人には馴染みの薄い銘柄かも知れません。

しかしこの銘柄はウォーレン・バフェットの投資会社、バークシャー・ハサウェイのコア・ホールディングのひとつで、現在、バークシャーはダイレクTVの6.67%株主です。

同社はもともとハワード・ヒューズのヒューズ・スペース&コミュニケーションズを母体としています。

ハワード・ヒューズに関しては、レオナルド・ディカプリオ主演の映画『アビエーター』で、そのエキセントリックな人物が描かれています。

ハワード・ヒューズはこんにちの石油サービス会社、ベーカー・ヒューズ(ティッカーシンボル:BHI)を創業したハワード・ヒューズ・シニアの息子です。

彼の父がテキサス州ヒューストンで石油掘削のドリルビットで成功したので、どら息子は1920年代にカリフォルニアへ移り、ハリウッドの映画ビジネスに参入します。また空を飛ぶことも彼の関心事だったので、1932年にヒューズ・エアクラフト・カンパニーを設立します。

ヒューズ・エアクラフト・カンパニーは航空機メーカーとしては限定的な成功しか収めなかったと言って良いと思います。

しかし空軍から戦闘機などに搭載される電子機器の受注を受け、この分野でリーダー的企業となります。

その後、米国の宇宙開発が本格化するとヒューズ・エアクラフトはヒューズ・スペース&コミュニケーションズを設立します。

1985年に同社は入札にかけられ、ゼネラル・モーターズがそれを落札します。それ以降、同社はGMHというレター・ストックとして株式市場で取引されました。

1994年にGMHは衛星テレビ通信(DBS)事業部門としてダイレクTVを開始します。


ダイレクTVは2004年に「DTV」というティッカーシンボルでNYSEで取引を開始されます。

こんにちダイレクTVは米国に2000万人の加入者を持ち、南米ではパンアメリカーナという衛星テレビ事業(加入者410万人)を展開しています。さらにスカイ・ブラジル、スカイ・メヒコなどの株式も取得しています。同社は全部で10の衛星を所有・運営しています。

同社の南米部門の利益貢献は年々増えています。

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ブラジルは同社にとって重要な市場です。ブラジルには5,890万の世帯があり、このうち何らかの有料放送を受信している世帯は1,270万世帯です。つまり普及率は22%です。有料放送をサブスクライブしている世帯のうち、ダイレクTVの展開する「スカイ」を視聴している世帯は380万世帯、市場占有率は30%です。

南米における衛星放送市場は、北米の競争環境と少し違います。具体的にはブラジルのような広い国土では、全国どこでも均一の品質で受像できる衛星放送が有利だという点に加えて、南米はケーブル・ネットワークの普及が遅れている点が指摘できます。さらに衛星放送そのものの普及率も未だ低いです。

衛星放送は家計の収入が一定の水準(9万レアル)を超えると普及率が格段に増加する傾向を示しています。いまブラジルのミドルクラスはこの家計収入の水準に達しようとしているところが多く、サブスクライバーは年率15%程度で成長することが見込めます。

ワールドカップやオリンピックが控えていることも、スポーツ・イベントが需要を喚起しやすい衛星放送にとってフォローの風だと言えます。

衛星放送のビジネスは費用が固定的で、収入は月々の安定した購読料が見込めます。このため加入者数さえ順調に伸びていれば、投資家は安心してBUY & HOLDする傾向があります。

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【略号の説明】
DPS一株当り配当
EPS一株当り利益
CFPS一株当りキャッシュフロー
SPS一株当り売上高


なお「ビギナーにも好適な投資対象」シリーズはマーケット・タイミングが上手くなくても長期で保有していれば儲かる可能性が高いと思われる、とりわけ業績面で安定している企業を中心にピックアップしています。

その選択に当たっては、業績のビジビリティー(見通しの立てやすさ)に加えて、株価の値運びがマイルドである点を条件としています。

理想的には配当利回りが高いことも望ましいのですが、今日紹介したダイレクTVに関しては、無配株です。

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(文責:広瀬隆雄、Editor in Chief、Market Hack

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