1

米国経済政策不確実性指数(EPU Index)は5,000以上の新聞記事や外部調査を目視により集計することでマスコミが不確実性をどれだけ頻繁に報道しているかを指数化したものです。指数に組み込まれているのは:

1.米国の主要10新聞の経済関連記事
2.連邦税優遇措置の期限切れの数
3.連邦、州、地方政府の購買や消費者物価指数に関するエコノミスト予想のブレ幅


です。

1985年まで遡って、指数化したところ、湾岸戦争や9・11同時多発テロ、リーマンショック、欧州財政危機、連邦債務上限引き上げ問題などの不確実性イベントの際には、指数のデザイン目的通り、グラフが上昇しました。

指数はコンピュータによる自動化された指数計算結果を、大学の学部学生たちによる目視の記事確認の結果と照合させ、エラーが内容にすり合わせします。

またEPU Indexは連邦準備制度理事会(FRB)が出すベージュブックのサマリー(約1万5千語)の中に登場する「不確実性(uncertainty)」の出現回数などとも比較されます。

米国では税の優遇措置は議会のその場の駆け引きで頻繁に取引の対象に引き摺り出される項目で、優遇措置の期限切れは事業主や会社経営者にとって不確実性の原因となります。大きなところでは2012年末の「財政の崖」が記憶に新しいところです。

この指数はシカゴ大学ブース・ビジネス・スクールのスティーブン・デービス教授、スタンフォード大学のニック・ブルーム教授、スタンフォード大学博士課程のスコット・ベーカーの3人が中心となって編纂されています。

現在、同指数はリーマンショック以降最も低い水準にあります。つまりマスコミは不確実性を報道していないわけです。しかし9月に議会が招集されると財政問題や債務上限引き上げ問題や次期FRB議長指名問題などが相次いで浮上することはもうスケジュール上、確定しているので、現在の、凪のような状態がいつまでも続くとは限りません。