アマゾンのジェフ・ベゾスCEOが、会社とは別に、個人でワシントンポスト(ティッカーシンボルWPO $568.70)の新聞部門を買収します。

今回のディールは同社の他の出版事業であるスレート・マガジン、フォーリン・ポリシーなどは含みません。

なお新聞部門は同社のポートフォリオのごく一部であることに注意すべきです。

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このニュースを受けてアフター・マーケットでのワシントンポスト株は+5.34%で推移しています。

現在、新聞部門のCEOを務めているキャサリン・ウエイマウスはこれまで通りCEO兼発行人のポジションを維持し、マーティン・バロン編集長も留任します。

ワシントンポストは1877年に創刊された老舗の新聞で米国の政治に関するカバレッジでは定評があります。

同社の記者、ボブ・ウッドワードとカール・バーンスタインによる、ウォーターゲート事件のすっぱ抜きはダスティン・ホフマンとロバート・レッドフォードの共演した『All the President’s Men』に描かれています。

このことからもわかるように、同紙は『ニューヨーク・タイムズ』、『ウォールストリート・ジャーナル』と並んで、米国を代表する三大クウォリティー・ペーパーだと見做されています。


ワシントンポストの発行部数は47万部で、漸減しています。クリック広告などだけでは購読者数減からくる売上の減少を食い止められないと判断し、課金ウォールを設けることを最近決定しています。

このところ米国の大学の授業料の値上がりが著しく、若者の間には「大学へ行っても、コスパが悪い」という考えが出始めています。このため教育関係の企業はどこも苦戦しています。ワシントンポスト・カンパニーの主力事業はSAT(日本の共通一次のようなもの)試験のガイドブックや予備校の業務です。この事業に陰りが見えた事が、お荷物のワシントンポストをいよいよ手放す決断の、背中を押したことは、間違いありません。

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同社はクラスAとクラスBという二種類の株式を出しており、内部者がクラスA株式の96.7%、クラスB株式の40.9%を支配しています。ウォーレン・バフェットのバークシャー・ハサウェイも主要株主でクラスB株式の23.3%を所有しています。

同紙を過去80年にわたって支配してきたのはグラハム家です。ドナルド・グラハム会長は、旧友であるジェフ・ベゾスと先日会話する迄、ワシントンポストを手放す気は無かったと言っています。でもベゾスが乗り気だったので、売る気になったのだそうです。