ダウ工業株価平均指数にゴールドマン・サックス(ティッカーシンボル:GS)、ビザ(V)、ナイキ(NKE)の3銘柄が追加され、アルコア(AA)、ヒューレット・パッカード(HPQ)、バンク・オブ・アメリカ(BAC)が除外されると発表されました。

ダウ工業株価平均指数は、今でも個人投資家に最もよく知られている米国の株価指数ですが、機関投資家はむしろS&P500指数をベンチマークにします。その理由はダウ工業株価平均指数は僅か30銘柄だけから構成されており、必ずしも米国株式市場全体の動きを正確に反映しているとは言えない上、いわゆる単純株価平均なので、値嵩株の動き(たとえばIBM)に指数が振り回される傾向があるからです。指数計算は構成銘柄30種の株価を単純に足し上げたものから除数(デバイザー)で割り算することから求められます。

昔は「ダウ30」に採用されることは、アメリカでも最もブルーチップ(優良株)な企業としてのお墨付きを得たことを意味しましたが、今ではそのプレステージはかなり薄れている気がします。

どのくらい頻繁に構成銘柄を入れ替えるかという問題は、指数の継続性の観点から重要ですが、逆に衰退してしまった企業の株を、いつまでも「ダウ30」の中に含めておくと、指数自体がくたびれた印象を与えてしまいます。

僕がアメリカに来た1980年の後半は、未だ小売のウールワースなどの、苔をむしたような株が入っており、特にティッカーシンボルが一文字(ウールワースは、確か「Z」でした)の株はダメだと言われていました。

現在の「ダウ30」の中で最も古くから指数に入っているのはゼネラル・エレクトリック(GE)で採用されたのは1907年です。次に古いのはエクソン・モービル(XOM)で、1928年(当時はスタンダード石油として採用)、プロクター&ギャンブル(PG、1932年)、デュポン(DD、1935年)、ユナイテッド・テクノロジーズ(UTX、1939年、当時はユナイテッド・エアクラフト)と続きます。以上が第二次世界大戦前に採用された銘柄で、残りは全て「戦後派」です。


「ダウ30」は、ハイテクの組み入れが少ないという批判を時々受けます。最近で言えばアップル(AAPL)、グーグル(GOOG)、アマゾン(AMZN)などの企業が入っていないのは、おかしいという議論です。ただ「ダウ30」は余り若すぎる企業は入れないという暗黙の了解があるため、時価総額が大きくて、勢いがある会社でも、必ず「ダウ30」に入るというわけではないのです。

「戦後派」の「ダウ30」構成銘柄を書いておくと:

3M(MMM)
IBM(IBM)
メルク(MRK)
アメリカン・エキスプレス(AXP)
マクドナルド(MCD)
ボーイング(BA)
コカコーラ(KO)
キャタピラー(CAT)
JPモルガン(JPM)
ウォルト・ディズニー(DIS)
ジョンソン&ジョンソン(JNJ)
ウォルマート(WMT)
AT&T(T)
ホームデポ(HD)
インテル(INTC)
マイクロソフト(MSFT)
ファイザー(PFE)
ベライゾン(VZ)
シェブロン(CVX)
シスコ(CSCO)
トラベラーズ(TRV)
ユナイテッド・ヘルスケア(UNH)
ゴールドマン・サックス(GS)
ナイキ(NKE)
ビザ(V)

となります。