オェーッ……縁起でもないな。
今日のニューヨークタイムズの第1面に、「エリザベス・ウォーレンが次期大統領レースで極左のイチ押しに(Warren Is Now The Hot Ticket On the Far Left)」という記事を発見し「ガビョーン!」とショックを受けました(笑)。
ウォーレンは元ハーバード大学の教授で、専門は破産法や消費者保護法です。クレジットカード会社の消費者虐めに敢然と立ち向かった運動家として知られていて、商業銀行の経営者にとって「天敵」のような存在です。
彼女はリーマンショックの後で「メガバンクは大きくて潰せなくなってしまった。これを放置しておくと良くないので、銀行・証券の分離を規定するグラス・スティーガル法を復活させよう!」と主張し、多くの米国民から支持を得ました。最近では「学資ローンの金利をFRBの公定歩合と同じにしろ!」という主張を打ち出し、ローン返済に苦しんでいるヤング層から急速に支持されはじめています。
最近、彼女が講演会をすると「大統領に、立候補して!」という熱烈な支持者が彼女の回りに駆け寄るのだそうです。
ヒラリー・クリントンは、その活動資金の少なからぬ部分をウォール街に依存しているので、ビル・クリントン大統領の時代からウォール街との関係はまずまずでした。このため民主党の内部には、「クリントン陣営はウォール街に対してやっている事がヌルい」という認識があります。もっとアンチ・ウォールストリートを明快に打ち出した方が、支持を得やすいというわけです。
エリザベス・ウォーレン自身は、「選挙に出馬する意思は無い」と言っています。しかしクリントン陣営は、あたかもウォーレンが出馬を決めたかのように、必死の牽制をはじめています。
今日のニューヨークタイムズの第1面に、「エリザベス・ウォーレンが次期大統領レースで極左のイチ押しに(Warren Is Now The Hot Ticket On the Far Left)」という記事を発見し「ガビョーン!」とショックを受けました(笑)。
ウォーレンは元ハーバード大学の教授で、専門は破産法や消費者保護法です。クレジットカード会社の消費者虐めに敢然と立ち向かった運動家として知られていて、商業銀行の経営者にとって「天敵」のような存在です。
彼女はリーマンショックの後で「メガバンクは大きくて潰せなくなってしまった。これを放置しておくと良くないので、銀行・証券の分離を規定するグラス・スティーガル法を復活させよう!」と主張し、多くの米国民から支持を得ました。最近では「学資ローンの金利をFRBの公定歩合と同じにしろ!」という主張を打ち出し、ローン返済に苦しんでいるヤング層から急速に支持されはじめています。
最近、彼女が講演会をすると「大統領に、立候補して!」という熱烈な支持者が彼女の回りに駆け寄るのだそうです。
ヒラリー・クリントンは、その活動資金の少なからぬ部分をウォール街に依存しているので、ビル・クリントン大統領の時代からウォール街との関係はまずまずでした。このため民主党の内部には、「クリントン陣営はウォール街に対してやっている事がヌルい」という認識があります。もっとアンチ・ウォールストリートを明快に打ち出した方が、支持を得やすいというわけです。
エリザベス・ウォーレン自身は、「選挙に出馬する意思は無い」と言っています。しかしクリントン陣営は、あたかもウォーレンが出馬を決めたかのように、必死の牽制をはじめています。
ウォーレンは極めてポピュリスト的なメッセージの発信が上手く、「消費者の守護神」というイメージを持っています。言わば、1970年代に、初めて消費者の立場からアメリカ政治に問題提起をしたラルフ・ネーダーを想起させるものがあるわけです。
ラルフ・ネーダーはその昔、自動車産業などを糾弾することで有権者の共感を集めましたが、その後、消費者が日常、どのような不満を持っているのかを敏感に察知する能力が衰えてしまって、ピント外れな問題ばかりを追求したので、次第に有権者から忘れ去られてしまいました。
これに対してエリザベス・ウォーレンはクレジットカード金利とか、銀行の「隠れたフィー」とか、学資ローン問題のように、消費者が誰でも恨めしく思っている、日常的な問題を激しく突いてきます。つまり彼女自身のカリスマが大統領候補者としてのエリザベス・ウォーレンを魅力あるものにしているのではなく、争点(イシュー)に対するフォーカスの巧さが、彼女を不気味な存在にしているのです。
そのウォーレン・パワーがさく裂したのが、先のローレンス・サマーズのFRB議長レースからの脱落だと思います。サマーズはウォーレンに反対されて、蛇に睨まれた蛙のように凍りついてしまったのです。
しかし……エリザベスが大統領になったら、アメリカはチャベスのベネズエラみたいになるのとちゃうか?
ラルフ・ネーダーはその昔、自動車産業などを糾弾することで有権者の共感を集めましたが、その後、消費者が日常、どのような不満を持っているのかを敏感に察知する能力が衰えてしまって、ピント外れな問題ばかりを追求したので、次第に有権者から忘れ去られてしまいました。
これに対してエリザベス・ウォーレンはクレジットカード金利とか、銀行の「隠れたフィー」とか、学資ローン問題のように、消費者が誰でも恨めしく思っている、日常的な問題を激しく突いてきます。つまり彼女自身のカリスマが大統領候補者としてのエリザベス・ウォーレンを魅力あるものにしているのではなく、争点(イシュー)に対するフォーカスの巧さが、彼女を不気味な存在にしているのです。
そのウォーレン・パワーがさく裂したのが、先のローレンス・サマーズのFRB議長レースからの脱落だと思います。サマーズはウォーレンに反対されて、蛇に睨まれた蛙のように凍りついてしまったのです。
しかし……エリザベスが大統領になったら、アメリカはチャベスのベネズエラみたいになるのとちゃうか?