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世界経済フォーラム(WEF)が『国際男女格差レポート(The Global Gender Gap Report)』の2013年版を出しました。日本は調査対象136カ国中、105位で、前年より4つランクが下がりました。

この調査は世界の人口の約93%をカバーしています。調査はそれぞれの国のもともとの経済力の差などの要因を極力排除し(豊かな国のランクが自動的に上がらないようにするため)、あくまでも男女間の平等を測るツールとなるように設計されています。

調査項目は大きく分けて:

経済活動への参加と機会:給与差、参加の度合い、専門職での雇用など
教育:初等教育から高等教育までの就学状況など
健康と生存:寿命と男女比
政治:政策決定機関への参加


に分かれており、調査、分析手法はしっかりと構築されています。

まず、そもそも論として、なぜ男女の機会平等が重要なのか? という問題があります。Market Hackは投資や経済に関するブログなので、その立場から答えれば「男女の機会平等と経済の発展、生産性の向上には、相関関係が見られるから」です。


日本の、105位というランクより下の国を見るとイエメン、シリア、イラン、サウジアラビアなど、残念な国が多いんですね。先進国では日本よりランクが下なのは、韓国だけです。また高所得国で日本よりランクの低い国は、韓国を除けば、全て産油国(つまりラッキーで所得が高い)です。

しかも日本の得点の内容を分析してみると、健康と生存の部分ではOKだけど、その他が悪いことがわかります。つまり女性が長寿であるというようなファクターを除けば、ランクはもっと下がっていた可能性があるのです。

それでは具体的にどこがダメかといえば、男女の給与差、女性が職場で大事なポジションに就いていない、女性の政策決定機関への参加が低い、高等教育への進学が低い、などです。

もちろん、社会における男女の役割は、歴史的、社会的な文脈を無視することは出来ないでしょう。高所得国における低ランク国は、いずれも回教国か儒教の影響を受けた国です。

逆の見方をすれば、日本には未だ経済発展の秘密兵器が温存されているという風にも言えます。それは女性パワーをunleash(解き放つ)することで生産性を向上させることが可能だということです。

そう言うと(そんなバカな)と信じない人が多いので、具体例を出すと、女性の社会進出は、ある国がどうしても生産力や軍事力を短期間に、飛躍的にUPしなければいけない場面に直面したとき、実現されているケースが多いのです。その一例が戦争です。ロシアではナチス・ドイツが攻めて来た時、質で勝るドイツ軍に対抗するため、量で対抗しました。その量を支えたのは、女性です。

米国では第二次大戦の時に工場の労働者として多くの女性が社会進出しました。『リベット打ちのロージー』というキャンペーンのポスターを見た事がある読者も居るかと思います。

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下はカリフォルニアの工場で飛行機を作っている女性の写真(たぶん1943年頃)です。

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もちろん、女性の地位向上の道は、平坦ではありませんでした。折角、社会進出しても戦争などの国難が終わってしまえば、また元の状況に戻ってしまうことが多かったし、既得権を侵害される脅威に晒された男性陣からは、頑なな抵抗がありました。そのような圧力をはねのけて、前進と後退を繰り返しながら、地位を向上していったわけです。この闘いは、いまも終わっていません。


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女性の社会的地位向上について 2/2


(文責:広瀬隆雄、Editor in Chief、Market Hack

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