いまアメリカのネット・ショッピング企業で最も急成長しているズーリリー(ティッカーシンボル:ZU)が新規株式公開(IPO)します。

同社はブルーナイルの創業メンバーが立ち上げたオンライン・リテーラーで、経験豊富な経営陣が、じっくりビジネスモデルを考えてから参入した好例だと思います。

同社は先ず子供服を売る事から始めました。その理由は小さな子供を持つ母親はいつも時間が無いし、その限られた時間の中でどんどん成長してゆく子供に着せる服を選んでいかなければいけないからです。

つまり一回ごとのトランザクションではなく、おかあさんとのリレーションシップを構築することを、何よりも最優先したサイト作りをしたわけです。

おかあさんはショッピングモールに行く時間はないけれど、子供にかわいい服を着せたいという欲求は高いです。つまり宝探しをしたいわけです。

ズーリリーは普通ならマンハッタンのトライベッカなどの子供服ブティックにしか置いてないような、洗練された子供服を、小さなベンダーから買います。ユニバーサル・プロダクト・コードが付いているような、コモディタイズされた商品は、最初からパスするわけです。

消費者から注文を受けると、ベンダーにそれを発注します。ベンダーは商品をズーリリーのウエアハウスに送るわけですが、フェデックスのスーパーハブのように、このウエアハウスに届けられた商品はすぐに消費者のところへ向けて再出荷されます。従って、ウエアハウスには在庫は殆どないのです。

在庫が無く、注文を受けてから商品を手配するということは、ワーキング・キャピタル(運転資金)の面から見ても有利です。同社はスタートアップのオンライン・リテーラーとしては優れたキャッシュフローを誇っています。

また同社のサイトは最初からモバイルに最適化して作られており、ビッグデータを駆使してユーザーごとにカスタマイズされた商品を表示するようにしています。また毎日、朝7時にその日フィーチャーする商品を刷新し、いつでもサイトがフレッシュになるようにしています。これはおかあさんが毎日、スマホのズーリリー・アプリをチェックするよう習慣づけるためにそうしているわけです。ズーリリーの商品は定価に比べて常に50%から70%ディスカウントされています。

現在、ズーリリーには350万人の顧客が居ます。売上高は100%以上で成長しています。既にEBITDAは黒字化しています。2012年の売上高は3.3億ドル、EPSは-43¢でした。

【ディールの詳細】
ティッカーシンボル:ZU
今回発行株数:1150万株(55%新株、45%セカンダリー)
初値設定:$16-$18
幹事:ゴールドマン・サックス、メリルリンチ、シティ、RBC