うさみのりやがまたアンチグローバルマッチョがどうしたこうしたと、愚にもつかないコトを、ブログでほざいているわけです

うさみのりやファンの僕は、その記事を一語一語、噛みしめるように味わい、瞑想に耽っていました。

そこへ下の息子が「とうちゃん、黒いネクタイ、買いに行こうよ」と言ってきたのです。

「黒いネクタイ? そんなもん、どうすんだ?」

「だからさぁ、疑似裁判で締めるんだよぉ」

アメリカの高校生たちの疑似裁判については昔、紹介しましたが、早い話、運動神経が鈍い「勉強お坊ちゃんたちの体育会」だと思って下さい。

「おまえのコーチは、そんな間抜けなコト言っているのか?」

ここで僕は三原山の噴火みたいに、カーッと頭に血が上ったわけです。

「貴様っ、法廷ではパワー・タイ(power tie)を締めるものなんだっ! 間違っても、葬式のネクタイ(funeral tie)じゃない」

横からワイフが「あら? でも先生からのメールで、白いシャツに黒いタイって、書いてあるじゃない?」

「ちがーう! 法廷では、ふてぶてしい自信(confidence)を、そこいらへんに振り撒く必要があんだ。黒いタイじゃ、お悔やみ(condolence)申し上げますになっちまうじゃないかっ!」

「あんたの言う事なんか、アテになんないわ。コーチの言う事の方が、正しいと思うけど?」

「ばかもん、おまえにビジネスの何がわかる! オレはこう見えても昔、JP fucking モルガンに居たんだ。パワー・タイが何を意味するかということぐらい、わきまえている。よし、これからメンズ・ウエアハウスにネクタイを買いに行こうじゃないか。そこで仕立師の主人に聞けば、誰が正しいか、わかるから」


そこで息子と僕は、クルマで近くのメンズ・ウエアハウスに行きました。

ところが出て来たのは二十歳くらいの短大出たばかりのようなクネクネしたオネエチャンです。(嗚呼、万事休す……)

案の定、オネエチャンは、オサレなネクタイを次々に広げ始めます。どれもこれもクソ軟弱な、ファッションボーイみたいな柄です。

「ちがーう。そうじゃない!」

その場の異様な雰囲気をセンサーでキャッチしたのか、店の裏から白髪の仕立師の老人が出てきました。

「どういう御用ですか?」

「あ、息子が疑似裁判で原告弁護士を務めるんです」

「ふむ、パワー・タイじゃな」

そう言うと、仕立師は、まるで手品のように5本ほどのネクタイを出してきました。真っ赤なものや、鮮やかなブルーも含まれています。そして息子に向かって「お若いの、大統領のネクタイを、テレビで観た事、あるかな?」

「………」

「大統領がテレビに出る時、締めているネクタイは、全てパワー・タイだ。悪い事は言わん。疑似裁判で勝ちたいと思うなら、コレとコレにしておき」

僕が大きく頷いたことは、言うまでもありません。

「ときに若いの、ちゃんとした靴は、もっているのか?」

ここで僕は得意になって、割り込みました。

「先日、新調しました。黒のキャップ・トウ、オックスフォードの6穴レース・アップです」

「キミの父上は、よくおわかりだ。で、スーツは?」

「黒です」

「よかろう。タイはウインザー・ノットに締めたまえ」


読者の皆さんは「なんで下らないファッションの事など、投資ブログに書いているの?」と思われるかもしれません。

でも若しグローバル・エリートの話をするのであれば、少なくともコンサルタントや弁護士やバンカーの世界では、「服装の自由」という事は、ありえないのです。

だから「ワクワクする世界」の人のようにパジャマだか背広だかわかんないような軽薄なスーツを着て、栗きんとんみたいにヘアを立てて、「頭の体操だ」なんてほざいている奴に、エリートは居ないのです。